ミスタア・パルバー

『ミスタア・パルバー』は、第二次世界大戦中の南太平洋を舞台にしたアメリカ海軍を題材としたコメディ映画です。1964年に公開され、人気コメディ映画『ミスタア・ロバーツ』の続編として制作されました。前作ではジャック・レモンが演じたパルバー少尉は、今作ではロバート・ウォーカー・Jrにバトンタッチ。新たなパルバー少尉の活躍が描かれています。

物語は、アメリカ海軍の軍事輸送船で起こる騒動から始まります。船長は冷酷な人物で、乗組員たちとの関係は極めて険悪です。特に通信兵のブルーノは船長への反感を強く抱いており、その不満は日々募っていました。

そんな中、ブルーノはパルバー少尉の拳銃を盗み出し、船長を射殺しようと企てます。しかし、パルバー少尉は間一髪のところでブルーノを制止。その際に船長は海に転落してしまいます。パルバー少尉はすぐに救命ボートを出し、船長を救助しようとします。しかし、船は二人の救助を待たずに航行を続け、パルバー少尉と船長は二人だけで救命ボートに乗り、茫洋とした大海原を漂流することになります。

漂流中、さらに予期せぬ事態が発生します。船長が急性盲腸炎を発症したのです。一刻も早い手術が必要な状況でしたが、漂着した島には外科医はおろか、手術に必要な設備さえもありません。絶体絶命の状況に陥った二人。果たして、彼らは無事にこの危機を乗り越えることができるのでしょうか？

本作は、単なるコメディ映画にとどまらず、人間ドラマとしても高い評価を受けています。冷酷な船長と、彼を取り巻く様々な乗組員たちの関係性、そして、思わぬ出来事によって運命を共にすることになったパルバー少尉と船長の交流は、見る者に深い感動を与えます。

キャスト陣も豪華です。フランク・パルバー少尉役にはロバート・ウォーカー・Jr、船長役にはバール・アイヴス、軍医役にはウォルター・マッソーと、実力派俳優が顔を揃えています。その他にも、ミリー・パーキンス、トミー・サンズ、ジェームズ・ココなど、個性豊かな俳優たちが脇を固め、作品にさらなる魅力を与えています。若き日のジャック・ニコルソンも出演していることでも知られています。

『ミスタア・パルバー』は、笑いあり、涙あり、ハラハラドキドキの展開に満ちた、見応えのある一本です。第二次世界大戦という厳しい時代を背景にしながらも、ユーモアと温かさを感じさせる作品となっています。もし、あなたが忘れかけていた、あるいはまだ知らない心の温かさを求めているなら、この映画はきっとあなたの心を満たしてくれるでしょう。ぜひ、劇場で、あるいは自宅で、この傑作を鑑賞してみてください。

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