ミステリー in パラダイス

ミステリー in パラダイス：カリブ海の島で繰り広げられる本格ミステリー

イギリスのBBCが制作する人気テレビドラマ『ミステリー in パラダイス』（原題：Death in Paradise）は、カリブ海の架空の島、セント・マリー島を舞台に、殺人事件を解決していく刑事たちの物語です。2011年の放送開始以来、高い人気を誇り、2024年12月現在ではシーズン13まで制作されています。日本ではミステリーチャンネルなどで放送されています。

魅力的な舞台設定と個性豊かな登場人物

本作の魅力は、なんといっても美しいカリブ海の島々を舞台にした独特の雰囲気です。熱帯雨林、火山、砂糖プランテーションなど、多様な風景が事件の舞台として活用され、視聴者を魅了します。セント・マリー島は、グアドループ近郊の島々をモデルにしており、フランス語が話されたり、独自の新聞やラジオ局があったりと、細部まで作り込まれた世界観が特徴です。

主人公は、シーズンごとに交代していく警部補。イギリス本土から赴任してきた彼らは、それぞれ個性的なキャラクターで、事件解決へのアプローチも異なります。相棒となる地元警察官とのやり取りや、島の人々との交流も物語を彩ります。これまで登場した主な主人公は以下の通りです。

リチャード・プール（シーズン1～2）：几帳面で真面目な性格。
ハンフリー・グッドマン（シーズン3～5）：奔放で自由奔放な性格。スピンオフ作品「Beyond Paradise」の主人公。
ジャック・ムーニー（シーズン6～9）：親切で話術に長けたアイルランド出身の刑事。
ネヴィル・パーカー（シーズン10～13）：我流で行動する、少し変わった性格の刑事。

また、カミール・ボーデイやフロランス・カッセルなど、個性的な署員たちも物語に深みを与えています。彼らは主人公と共に事件を解決するだけでなく、彼ら自身の成長や恋愛模様なども描かれ、視聴者の共感を呼びます。

1話完結のミステリーと、アガサ・クリスティを彷彿とさせる展開

本作は基本的に1話完結の物語構成となっています。各エピソードでは、まず殺人の現場が描かれ、その後、セント・マリー島警察が捜査を開始します。容疑者たちの関係図がホワイトボードに貼られ、捜査が進められていきます。そして、クライマックスでは主人公が、関係者を集めて、自身の推理を披露し、犯人を特定します。この手法は、アガサ・クリスティの作品を彷彿とさせ、本格ミステリーファンを満足させるものです。

批評家の評価と受賞歴

本作は、批評家から賛否両論の評価を受けています。その筋書きの定型性や、設定以外の独自性がない点などを指摘する声がある一方、カリブ海の美しい風景や個性豊かな登場人物を評価する声もあります。また、植民地主義的な側面や人種差別的な描写について批判的な意見も寄せられています。それでも、高い視聴率を維持し、ドラマ製作における多様性賞を受賞するなど、高い評価を得ている作品です。

スピノオフ作品「Beyond Paradise」

2022年には、シーズン3～5の主人公だったハンフリー・グッドマンを主役としたスピンオフ作品「Beyond Paradise」が放送されました。イギリスを舞台に、ハンフリーと彼の恋人のマーサの生活が描かれています。こちらも高い人気を誇り、シーズン3の制作も決定しています。

結論

『ミステリー in パラダイス』は、美しいカリブ海の風景、個性豊かな登場人物、そして本格的なミステリー要素が魅力の作品です。シーズンごとに変わる主人公や、脇役たちの活躍も楽しみのひとつです。もしあなたがミステリードラマがお好きなら、ぜひ一度視聴してみてください。

もう一度検索