ミスミグループ本社

株式会社ミスミグループ本社

株式会社ミスミグループ本社は、日本の製造業を支える多様な機械加工製品や部品、消耗品などを取り扱う販売事業を中核とする持株会社です。東京都千代田区に本社を構え、グローバルに事業を展開しています。

同社の主要な事業は、製造現場の自動化を支援するFA（ファクトリーオートメーション）関連事業、製品の品質を左右する金型製造に不可欠な精密機械部品事業、そして自社ブランドだけでなく他社メーカーの幅広い製品を提供する「VONA（ヴォーナ）」事業の三本柱から成り立っています。特に、FA分野と金型用部品の専門商社である株式会社ミスミがグループの中核を担っています。

会社の歩みと社名の由来

会社の起源は、1963年2月に設立された三住商事株式会社に遡ります。当初は電子機器やベアリングの販売を目的としていましたが、その後の事業展開を経て、現在の多角的な形態に至ります。興味深いのはその社名の由来です。創業者である田口弘氏は、当時日本を代表する総合商社であった三井物産、三菱商事、住友商事のような大きな会社に成長させたいという強い願いを込めて、それぞれの社名から「三」と「住」の文字を取り、「ミスミ」と名付けたとされています。

沿革：発展とグローバル展開

設立から現在に至るまで、ミスミグループは一貫して事業領域の拡大とグローバル展開を進めてきました。1965年にはプレス金型用部品の販売を開始し、専門性を深めます。1970年代後半からは、特徴的な標準部品カタログの発刊を重ね、顧客の設計・調達プロセスを効率化しました。物流体制も早期に強化し、1981年には関西プラント（現西日本流通センター）を開設しています。

海外展開は1980年代後半から本格化し、1987年の台湾支店開設を皮切りに、翌年には米国に現地法人を設立。その後もアジア、欧州、北米へと拠点を拡大し、グローバルな供給ネットワークを構築していきました。1989年には社名を株式会社ミスミに変更し、事業体制を強化。1994年には東京証券取引所第2部に上場を果たし、1998年には第1部へ指定替えされるなど、企業としての信頼性と知名度を高めました。

2005年には株式交換により駿河精機を完全子会社化し、持株会社体制へ移行するとともに、現在の株式会社ミスミグループ本社へ社名を変更しました。この体制変更は、さらなる事業シナジー創出と経営効率向上を目指すものでした。2010年には、それまでの自社ブランド中心の品揃えに加え、他社ブランド製品を扱う新たな事業として「ミスミVONA」を開始。これにより、顧客に対してより幅広い選択肢を提供できるようになりました。

近年では、2012年の米国金型メーカー買収に代表されるM&Aや、世界各地への営業・生産拠点の新設を積極的に行い、グローバルでの競争力を強化しています。また、デジタル化への取り組みも進め、2022年にはデジタル部品調達サービス「meviy」の北米での事業を開始するなど、新たな技術を活用したサービス展開にも力を入れています。

国内外の拠点

ミスミグループは、株式会社ミスミ、株式会社駿河生産プラットフォーム、駿河精機株式会社、三島精機株式会社、日本デイトンプログレス株式会社といった国内主要子会社を中心に事業を展開しています。海外には、北米、欧州、中国、韓国、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インド、インドネシア、ベトナム、メキシコなど、世界各地に多数の営業拠点および生産拠点を有しており、グローバルなサプライチェーンと顧客サポート体制を構築しています。

国内外の強固なネットワークと多角的な事業展開を通じて、ミスミグループは製造業における「確実短納期」と「高品質」、そして「低コスト」を実現し、顧客の生産性向上とイノベーションに貢献し続けています。

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