ミス・ユニバース1957

第6回ミス・ユニバース世界大会（1957年）

1957年7月19日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチにて、第6回ミス・ユニバース世界大会が盛大に開催されました。この年の大会には、世界各地から総勢32の国と地域を代表する美女たちが集結し、美の頂点を目指して競い合いました。

激戦の末、この記念すべき大会の栄冠に輝いたのは、ペルー代表のグラディス・ツェンダーでした。前年のミス・ユニバース、キャロル・モリス（アメリカ）からティアラを受け継いだツェンダー氏は、ラテンアメリカ出身者として、そして南半球出身者としても史上初のミス・ユニバースという歴史的な快挙を成し遂げ、世界の注目を集めました。

日本からは大谷享子氏が出場し、見事トップ15入りの快挙を達成しました。さらに、参加者の中からアジア代表として特に優れた魅力を持つと認められ、「ミス・アジア賞」も受賞するなど、日本の美しさを世界に示しました。

この年の大会には、初めて参加する国や地域もあり、例えばマルティニーク、モロッコ、そしてパラグアイが初出場を果たしました。また、しばらく参加を見合わせていた国々の復帰も見られ、オーストリアとハワイは1953年以来、セイロン（現スリランカ）と韓国は1955年以来の参加となりました。一方で、オーストラリア、コロンビア、フィンランドといった国々は、代表を選出しながらも最終的に参加を見送る結果となりました（なお、フィンランド代表は同年のミス・ワールドに出場しています）。

大会では、主要なタイトルの他に、参加者の個性や魅力を称える特別賞も授与されました。

ミス・フレンドシップ：プエルトリコ代表 マピタ・メルカド・コルデロ
ミス・フォトジェニック：ドイツ代表 ゲルティ・ダーブ
* 一番人気女性：カナダ代表 グロリア・ノークス

波乱を呼んだミスUSAの失格

1957年大会における最も記憶に残る出来事の一つに、ミスUSA代表の失格がありました。メリーランド州代表として参加していたレオナ・ゲージ氏は、予選ラウンドを通過し、トップ15入りが発表されていました。しかし、決勝が行われる午前の時間帯になって、彼女が既に結婚しており、二人の幼い子供の母親であることが明らかになったのです。

これは当時のミス・ユニバース大会の厳格な出場資格規約に明確に違反する事実でした。このため、ゲージ氏は大会から即座に追放されるという厳しい処分を受けました。さらに、彼女はミスUSAのタイトルも剥奪され、次点のシャーロット・シェフィールド氏が繰り上げでミスUSAとなりました。しかし、大会の予選は既に終了していたため、シェフィールド氏はミス・ユニバース本大会に出場することができませんでした。これは、ミスUSAがミス・ユニバースに出場できなかった初めてのケースとなりました（二度目は2017年に発生）。

ゲージ氏の失格により空席となったトップ15の枠には、16番目の補欠とされていたアルゼンチン代表のモニカ・ラマス氏が繰り上げ入賞しました。この一連の騒動は大会に大きな波紋を広げ、出場資格の確認プロセスの重要性を改めて浮き彫りにしました。なお、後任のミスUSAとなったシャーロット・シェフィールド氏は、同年のミス・ワールドに出場しましたが、入賞は果たせませんでした。

1957年のミス・ユニバース大会は、ペルー代表の歴史的な優勝、日本代表の活躍、そしてミスUSAの失格という予期せぬ出来事など、多くの記憶に残るシーンとともに幕を閉じました。

もう一度検索