大谷享子

大谷享子：ミス・ユニバースから茶道家へ

大谷享子（おおたに きょうこ、1936年2月11日 - 2006年1月17日）は、昭和を代表する美の象徴であり、同時に日本の伝統文化を継承した女性です。彼女は、1957年のミス・ユニバース・ジャパンに選ばれ、その美貌と知性で世界を魅了しました。また、戦後日本の政財界に大きな影響力を持ったフィクサー、大谷貴義の長女としても知られています。

ミス・ユニバースへの挑戦

和歌山県出身の大谷享子は、大妻女子大学短期大学部を中途退学後、国際クッキングスクールで学びました。1957年、彼女はミス・ユニバースの国内大会に応募しますが、当初は周囲に知られることを恐れていました。しかし、家族の反対を押し切って日本代表として世界大会に出場することを決意します。その背景には、厳格な家庭環境に対する反抗心もあったと言われています。

カリフォルニア州ロングビーチで開催された第6回ミス・ユニバース世界大会で、大谷享子はセミファイナルに進出し、Top15に入賞。さらに、大陸別部門賞であるMiss Asiaを受賞しました。当時21歳、身長168センチ、体重55キロ、スリーサイズ87-56-87というプロポーションは、世界に日本の美を印象づけました。

吉川英治との出会い、そして結婚

作家の吉川英治のすすめにより、1960年（昭和35年）に裏千家14世千宗室の三男・巳津彦と結婚しました。媒酌人は吉川夫妻と福田赳夫夫妻が務めました。この結婚は、父・大谷貴義と福田赳夫の親交が深く、大谷が裏千家と福田首相を結び付けたことが背景にあったと言われています。

株式会社日美の代表として

1966年（昭和41年）に夫と死別した後、大谷享子は株式会社日美の代表取締役社長に就任し、経営者としての手腕を発揮します。1997年（平成9年）には、社長職を長男・裕巳（宗裕）に譲り、代表取締役会長に就任しました。彼女の経営手腕は、会社を成長させ、業界での地位を確立しました。

その後

2006年（平成18年）1月17日、大谷享子は69歳でその生涯を閉じました。彼女の弟である吉右も、父と同様に宝石卸・貸しビル業を営み、政・財・官界、芸能界、スポーツ界の著名人と深い親交があります。2008年の裏千家の初釜に福田康夫首相が出席したのも、大谷貴義との繋がりがあったからだと報じられています。

大谷享子は、ミス・ユニバースとしての華やかな経歴だけでなく、日本の伝統文化を継承し、企業経営者としても成功を収めた女性でした。彼女の生き方は、美しさ、知性、そして強い意志があれば、いかなる困難も乗り越えられることを教えてくれます。

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