ミス・ユニバース2013

ミス・ユニバース2013

ミス・ユニバース2013、正式名称は第62回ミス・ユニバース世界大会として、2013年11月9日にロシアの首都モスクワ郊外にあるクラスノゴルスクのクロッカス・シティ・ホールで開催されました。この年の大会には、世界各地から86の国と地域を代表する美の親善大使たちが集まり、栄えあるミス・ユニバースのタイトルを目指し、競い合いました。

結果

熾烈な競争の末、栄冠はベネズエラ代表のガブリエラ・イスレル氏の手に渡りました。彼女は前年覇者であるアメリカ合衆国のオリビア・カルポ氏から、ミス・ユニバースのシンボルであるティアラを受け継ぎました。日本からは、松尾幸実氏が代表として出場しました。

主な入賞者や特別賞の受賞者は以下の通りです。

優勝: ガブリエラ・イスレル（ベネズエラ）

特別賞
ミス・コンジニアリティ: 靳燁（中国）
ベスト・ナショナル・コスチューム: ナスターシャ・ボリヴァル（ニカラグア）
ミス・フォトジェニック: パウリナ・クルピンスカ（ポーランド）
インターネット投票: アリエラ・アリダ（フィリピン）

同性愛を巡る議論

この年のミス・ユニバース大会は、美を競う華やかなイベントであると同時に、社会的な議論の的ともなりました。大会が開催される直前、ロシアでは同性愛に関する新たな法律が成立しており、これが国内外で大きな波紋を広げていました。この法律は、同性愛の「プロパガンダ」を禁止するもので、人権侵害であるとの批判が高まっていました。

自身が同性愛者であることを公にしているテレビ司会者のアンディ・コーエン氏は、このロシアの状況を受けて、大会の共同司会を務めることを辞退するという意思を表明しました。彼はロシアの法制度に対する懸念から、モスクワでの開催に関わることに難色を示したのです。

これと並行して、インターネット上ではミス・ユニバース機構に対し、人権への配慮とロシアの法制度への抗議の意思を示すため、大会の開催地をモスクワから変更するよう求める請願運動が巻き起こりました。

一方で、同じく同性愛者であることを公表しているMSNBCのアンカー、トーマス・ロバーツ氏は、司会を引き受けることを選択しました。ロバーツ氏はロシアの反同性愛法自体については批判的な立場を取りつつも、自身が現地で司会を務めることが、ボイコットよりもロシア社会の同性愛嫌悪に対し、より強いメッセージを発信できると考えを表明し、議論を呼びました。このような、司会者の選択を通じた抗議のあり方自体も注目されました。

その後の関連事項

大会が開催された数年後の2016年、当時のミス・ユニバース機構のオーナーであったドナルド・トランプ氏（後のアメリカ合衆国大統領）は、このロシアでの大会開催に関連する論争に巻き込まれることとなりました。これは、彼の政治活動やロシアとの関係性を巡る文脈で言及されることがありました。

ミス・ユニバース2013は、華やかな国際的な美の祭典という側面だけでなく、開催国の社会情勢がイベントに大きな影響を与え、国際的な議論を巻き起こした大会として、記憶に残る大会となりました。

もう一度検索