クラスノゴルスク

クラスノゴルスクは、モスクワの北西に位置するモスクワ州の都市です。モスクワ環状道路を挟んで首都と隣接し、モスクワ中心部から約25キロメートルに位置しています。モスクワ川の支流に沿って発展し、近隣の都市としてはヒムキとデドフスクが挙げられます。

歴史

この地には、19世紀からモスクワ近郊の農村が点在しており、繊維工場が建設されたことで労働者が集まるようになりました。十月革命後、工場は国有化され、一部はモスクワに移転しましたが、1927年にはリガにあった光学機器工場がこの地に進出しました。1931年には、ソ連最大の光学機器工場と労働者のための団地建設が決定し、1932年に都市型集落クラスノゴルスクが誕生しました。1940年には市制が施行されています。

第二次世界大戦中、モスクワの戦いではドイツ軍が郊外まで迫り、光学機器工場は一時疎開しましたが、1942年に再開しました。また、反ファシスト中央学校が置かれ、各国の共産主義者がここで学びました。戦時中には、ドイツ軍捕虜収容所が設置され、特にルニョヴォには政治的エリートを収容する特殊な収容所がありました。1943年には、ソ連の後援により「自由ドイツ国民委員会」や「ドイツ将校同盟」が結成されました。戦後には、ドイツ軍に加え、日本軍やポーランド人の捕虜も収容され、日本人墓地も作られました。戦後の復興には、多くの捕虜が労働力として貢献しました。

戦後、都市は拡大を続け、2004年には周囲の村落を併合しました。1994年にはロシア初の18ホールのゴルフ場が開業、2009年にはモスクワ地下鉄初の市外駅であるミャキニノ駅が開業し、周辺には大型商業施設やホテル、コンサートホールなどが集まる新市街が形成されました。2024年には、この地で大規模な銃乱射事件が発生しています。

交通

M9幹線道路とモスクワからリガへ向かう鉄道がクラスノゴルスクを通っています。2009年にはモスクワ地下鉄が延伸し、市内にはミャキニノ駅が設置されました。これはモスクワ市外に初めて設置された地下鉄駅でした。

産業

クラスノゴルスクは、カメラメーカー・光学機器メーカーであるS・A・ズヴェーレフ記念クラスノゴールスク工場（KMZ）の本社所在地であり、民生品から軍用品まで幅広い光学機器を製造しています。その他、建材や食品工業などの工場も立地しています。

姉妹都市

クラスノゴルスクは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。
ホールレ (オランダ)
ヘーヒシュタット・アン・デア・アイシュ (ドイツ)
プルンゲ (リトアニア)
スリブニツァ (ブルガリア)
トゥクムス (ラトビア)
ヴォングロヴィエツ (ポーランド)

クラスノゴルスクは、歴史的な背景を持ちつつ、近年では交通インフラや商業施設の発展により、現代的な都市へと変貌を遂げています。

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