ミゾ国民戦線

ミゾ国民戦線（Mizo National Front：MNF）

ミゾ国民戦線（MNF）は、インドのミゾラム州に存在する地域政党です。この政党は、1959年に発生したミゾの歴史的飢饉に対する抗議活動を背景に、Pu Laldengaによって設立されました。当時、中央政府の無策に対する反発が強まり、これが後に飢饉救済を求める運動へと発展しました。こうして設立されたのが、最初の名称「ミゾ国民飢餓戦線」です。

設立の背景

1959年、ミゾ国民の多くは「マオタム」と呼ばれる飢饉に直面しました。この飢饉は竹の花の開花を引き金にネズミが急増し、作物に壊滅的な影響を与えるというもので、多くの人々が生き延びるために苦しみました。人々の飢えや苦痛を救おうと、ミゾ文化協会は、食糧支援を行う活動を始めました。この協会はその後、ミゾ国民飢餓戦線（MNFF）と改称され、さらに地域の人々の支持を取り付けることに成功しました。

地下活動の時代

1961年にMNFFは、メンバーの指導の元で、ミゾ国民戦線（MNF）に形を変えました。その後、政府の飢饉対策の不満が高まり、分離主義の動きが活発化しました。そして1966年にはインド政府に対し大規模な暴動が発生しましたが、結果的にはミゾの行政権を確保するには至りませんでした。この分離主義運動は約20年間にわたって続きました。

平和合意の締結

1986年6月30日、MNFとインド政府との間でミゾラム平和協定が結ばれ、長い反乱に終止符が打たれました。この協定により、ミゾラムは独立した州として認識されるに至りました。Laldengaは初代州首相に就任しましたが、病気のため権力を握ることはできませんでした。

政党としての歩み

Laldengaの死後、ゲリラの元リーダーであるゾラムタンガが党首となりました。1998年と2003年には州議会選挙で成功を収め、ゾラムタンガは10年間にわたり州首相を務めました。この時期、MNFは州議会において21議席を獲得するなど、安定した支持を得ていました。しかし、2008年の州議会選挙では、強い逆風の中でたった3議席を獲得するに留まり、権力を手放すこととなりました。

国内外に対する立ち位置

MNFは東北地域の政党と連携しながらも、徐々に独自の進路を歩むようになりました。2004年のインド総選挙では、この政党がミゾラム州の唯一の議席を獲得し、支持を集めました。しかし、国民民主同盟やインド人民党との関係においては距離を置き、独立した立場を貫くようになりました。

現在の状況

現在のMNFの指導部は、プ・ゾラムタンガ（Pu Zoramthanga）が代表を務め、地域政治の重要な役割を果たしています。しかし、党の支持基盤には変化が見られ、特に最近の選挙ではその影響力が試されています。格差や社会問題に取り組む姿勢が求められる中、MNFの今後の活動が注目されます。

このように、MNFは設立当初の目的から徐々に発展し、政治的な影響力を伸ばしてきました。ミゾラム州内外での活動が、地域の人々にどのような影響を与えているのか、その動向に今後も注視が必要です。

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