ミゾラム州

ミゾラム州は、インドの北東部にある内陸に位置する州です。西側をバングラデシュと、東側および南側をミャンマーと国境を接しており、北側ではインドのアッサム州、マニプル州、トリプラ州と隣り合っています。州都であり最大の都市はアイゾールです。

面積は約21,087平方キロメートルで、その広大な土地の91パーセントが森林に覆われています。この森林率はインドの全ての州の中で最も高い割合を示しています。人口は2023年の推計でおよそ125万人と、インドの州としては2番目に少ないですが、都市化率は51.5パーセントと、北東部の州の中では最も高く、インド全体でも上位5番目に入ります。

州の公用語は二つ定められていますが、チベット・ビルマ語派やインド語群の話し手たちの間で共通語として広く使われているのはミゾ語です。また、ミゾ族をはじめとする指定部族の人口に占める割合が、インド国内で最も高い州でもあります。

歴史

ミゾラムの地には、紀元前600年頃に初期の文明が存在したことを示す重要な考古学的証拠が、ヴァングッチア地域で発見されています。その後、現在のミャンマーのチン丘陵から、チベット・ビルマ語派の人々が段階的に移住してきました。これらの集団は族長を中心に組織され、ジュムと呼ばれる循環式の焼畑農業を行っていました。18世紀までには、これらの様々な氏族がミゾ族という一つのアイデンティティのもとにまとまり、この地域の主要な民族集団となりました。

19世紀半ばには、この地域の領有権を主張するイギリスが軍事遠征を繰り返し、1895年にミゾラムはイギリス領となり、アッサム州に編入されました。イギリス統治下で行われた行政改革やキリスト教の宣教活動は、ミゾ社会に大きな変化をもたらしました。

1947年のインド独立後も、ルシャイ・ヒルズ地区としてアッサム州の一部でしたが、1960年代の飢饉への州政府の対応の遅れなどをきっかけに、ミゾ国民戦線による反乱が発生しました。この反乱は1986年のミゾラム和平協定が結ばれるまで続き、その後の1987年2月20日、ミゾラムはインドで23番目の州として正式に誕生しました。

経済

ミゾラムの経済は、伝統的に農業が中心であり、特にジュムとして知られる焼畑農業が行われてきました。しかし近年は、園芸作物の栽培や竹製品の生産へと産業構造が変化しつつあります。2012年の州内総生産は、推定で699.1億インドルピー（約8.2億米ドル）でした。州民の約20パーセントが貧困層以下の生活水準にあり、特に農村部ではその割合が35パーセントに達しています（2014年時点）。

州内には総延長871キロメートルの国道網が整備されており、国道54号線はアッサム州へ、国道150号線はマニプル州へと繋がっています。ミャンマーやバングラデシュとの国境貿易の要衝としても、その重要性を増しています。

住民

ミゾラム州は、インド国内でキリスト教徒が人口の過半数を占める数少ない州の一つであり、州人口の約87パーセントがキリスト教を信仰しています。中でもプロテスタントが多く、長老派教会やバプテスト教会が主流です。これに続いて、仏教（8.51パーセント）、ヒンドゥー教（2.75パーセント）、イスラーム（1.35パーセント）の信仰者がいます。民族構成では、ミゾ族（ゾ族を含む）が全体の83.4パーセントを占め、その他にチャクマ族（8.5パーセント）やトリプリ族（3パーセント）などが居住しています。また、ミャンマーでの内戦の長期化により、主にチン族を中心とした避難民の流入が続いており、その数は7万人から10万人と推定されています。

地方行政区分と主要都市

ミゾラム州は複数の県（district）に分けられています。

アイゾール県 (Aizawl district)
チャンパイ県 (Champhai district)
コロシップ県 (Kolasib district)
ロントライ県 (Lawngtlai district)
ルングレー県 (Lunglei district)
マーミット県 (Mamit district)
サイハ県 (Saiha district)
サーチップ県 (Serchhip district)

主要都市は州都であるアイゾールです。

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