ミッキー・ライト

メアリー・キャスリン・ライト：女子ゴルフ界のレジェンド

メアリー・キャスリン・ライト（Mary Kathryn "Mickey" Wright、1935年2月14日 - 2020年2月17日）は、アメリカ合衆国出身の元女子プロゴルファーです。彼女は、その卓越した才能と輝かしい実績により、女子ゴルフ界における伝説的な存在として広く知られています。

アマチュア時代の活躍とプロ転向

カリフォルニア州サンディエゴで生まれたライトは、幼少の頃からゴルフの才能を発揮し、1952年には全米女子ジュニア大会で初優勝を飾ります。ハーバートフーバー高校卒業後、スタンフォード大学に進学しますが、わずか1年で退学。その後、1954年の全米女子アマチュア選手権では決勝で敗れたものの、同年の世界アマチュア選手権で見事優勝を果たし、その直後にプロへと転向しました。

LPGAツアーでの輝かしいキャリア

1955年、ライトは全米女子プロゴルフ協会（LPGA）のツアーメンバーとして登録され、プロとしてのキャリアをスタートさせます。引退するまでに82勝を挙げ、これはキャシー・ウィットワースの88勝に次ぐ歴代2位の記録です。また、メジャー大会での13勝は、パティー・バーグの15勝に次ぐ記録となっています。1961年から1964年までの4年間は、LPGA賞金女王に輝き、その間、賞金ランキングトップ10に13回もランクインしました。さらに、14年連続で年間最低1勝を達成するという驚異的な記録も保持しています。

驚異的なスコアと「女性版ベン・ホーガン」の異名

1964年に第1回が開催されたトールシティーオープンでは、3日目と4日目にいずれも62というスコアを記録し、当時のLPGA最少スコア記録を樹立しました。ちなみに、開催コースであるホーガンパークゴルフ場（テキサス州ミッドランド）の男子の最少スコア記録は66でした。この時、ライトは最終日に10打差を逆転して優勝しており、これはLPGAのタイ記録となっています。彼女の師匠はハリー・プレスラーであり、ベン・ホーガンは彼女のスイングを「これまで目にした中で最高のスイング」と評しました。このことから、ライトは「女性版ベン・ホーガン」という異名で呼ばれるようになりました。

引退後もゴルフ界に貢献

1969年、ライトはフルタイムでのゴルフプレーから引退しましたが、その後も時折ツアー競技に参加し続けました。足にトラブルを抱えていたことが引退の理由の一つとされています。1958年から1966年の間にメジャー大会で13勝を挙げ、4つあるメジャータイトルの全てをある時点で保持していた唯一のLPGAプレーヤーです。晩年はフロリダ州ポートセントルーシーに一人で住み、1990年代後半には同じフロリダ州デイトナビーチで開催されたタイトルホルダーズという大会に出場しました。その際、練習場を歩いているほとんど全てのプレーヤーが立ち止まって彼女のスイングに見入っていたと言われています。また、彼女は乳がんの克服者でもあります。

ゴルフ界からの評価

2000年、『ゴルフダイジェスト』誌の企画「greatest golfer」では、女子選手として最高の9位にランクインし、2009年に『ゴルフマガジン』誌が行った同様の特集でも8位となり、女子選手の中ではトップでした。

晩年と死

2020年2月17日、ライトは心臓発作のためフロリダ州内の病院で逝去しました。85歳でした。

主な優勝歴

1952年 全米女子ジュニア
1954年 世界アマチュア選手権
* LPGAツアー82勝（うちメジャー13勝）

メアリー・キャスリン・ライトは、その卓越した技術と輝かしい実績により、女子ゴルフ界に多大な影響を与えました。彼女の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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