ミッチ・デニング

ミッチェル・ジョン・デニング：異色の経歴を持つオーストラリア出身の野球選手

ミッチェル・ジョン・デニング（Mitchell John "Mitch" Dening、1988年8月17日 - ）は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ゴスフォード出身の元プロ野球選手。外野手として活躍した。

プロ入りから独立リーグへ

16歳という若さでボストン・レッドソックスと契約し、プロとしてのキャリアをスタート。しかし、メジャーリーグへの道のりは長く、傘下のマイナーリーグで数年間プレー。2009年にはWBCオーストラリア代表に選出されるなど、国際舞台も経験する。2012年には独立リーグであるフロンティアリーグのワシントン・ワイルドシングスでプレー。

BCリーグでの活躍とNPB入り

2013年、BCリーグの新潟アルビレックス・ベースボール・クラブに入団。その才能を開花させ、打率.370で首位打者のタイトルを獲得。同年11月には、キャンベラ・キャバルリーの一員としてアジアシリーズで優勝を経験。この活躍が認められ、2015年5月にはNPBの東京ヤクルトスワローズへの入団を果たす。BCリーグ出身のオーストラリア人選手がNPB球団へ移籍するのは、デニングが初の事例であった。

ヤクルトでの挑戦

ヤクルトでは、故障者の相次ぐチーム状況を打破すべく緊急補強として入団。来日後すぐに一軍登録され、代打やスタメンとして出場。初本塁打や満塁本塁打を放つなど、印象的な活躍を見せた。しかし、シーズン終了後に戦力外通告を受け、NPBでの挑戦は短い期間で幕を閉じた。

四国ILでの再起と国際舞台での活躍

2016年、四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツへ移籍。前期MVPを獲得するなど、再びその実力を証明した。また、同年のハーレムベースボールウィーク、そして2017年のWBC本戦にもオーストラリア代表として出場。国際舞台でもその存在感を示した。

プレースタイルと人物

巧みなバットコントロールで広角に安打を量産する中距離打者。特に、藤浪晋太郎投手との対戦では高い打率を記録し、藤浪自身も「自分の中では（同年に対戦した打者では）最強」と評するほどであった。一方で、守備や走塁には課題も指摘されていた。

新潟時代には、年俸80万円、家賃4万円の部屋で生活。ヤクルト入団時も、外国人選手としては異例の低年俸で、若手選手と共に合宿所で生活するなど、異色の経歴を持つ選手であった。

年度別打撃成績 (NPB)

記録

初出場：2015年5月26日、対北海道日本ハムファイターズ1回戦
初安打・初打点：2015年5月27日、対北海道日本ハムファイターズ2回戦
初本塁打：2015年5月29日、対福岡ソフトバンクホークス1回戦

代表歴

2009 ワールド・ベースボール・クラシック・オーストラリア代表
2013 ワールド・ベースボール・クラシック・オーストラリア代表
2016 ハーレムベースボールウィーク オーストラリア代表
* 2017 ワールド・ベースボール・クラシック・オーストラリア代表

ミッチェル・デニングは、その異色の経歴とひたむきなプレースタイルで、多くの野球ファンに記憶される選手である。

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