ミツバチ科

ミツバチ科（Apidae）

ミツバチ科は、ミツバチ上科に属する最大の科であり、少なくとも5700種が存在します。この科には、私たちになじみ深いマルハナバチやミツバチの仲間だけでなく、蜂蜜採取に利用されるハリナシバチ、力強いクマバチ、美しいシタバチ、そしてコシブトハナバチ、キマダラハナバチ、ルリモンハナバチなど、多様な種が含まれています。これらのハチたちは、自然植生だけでなく、私たちの食料を支える農作物にとっても非常に重要な送粉者としての役割を担っています。

分類

現在のミツバチ科は、従来の分類群であるミツバチ、マルハナバチ、ハリナシバチ、シタバチに加え、クマバチやキマダラハナバチなど、かつてコシブトハナバチ科やCtenoplectridae科に分類されていた全ての属を含んでいます。

ミツバチ科の中で最もよく見られるのは社会性の種ですが、大半は単独性であり、中にはキマダラハナバチやルリモンハナバチのように他のハチの巣に寄生する労働寄生種も存在します。

かつてミツバチ科は、ミツバチ亜科（ミツバチ族、シタバチ族）とマルハナバチ亜科（マルハナバチ族、ハリナシバチ族）の4つの族のみを含んでいました。しかし、旧コシブトハナバチ科の全ての族・亜科と、族に格下げされた旧Ctenoplectridae科が、ミツバチ亜科の族として再分類されました。2005年の研究では、全てのハナバチを「ミツバチ科」としてまとめる動きがありましたが、2020年頃にはハナバチ類は7つの科に、ミツバチ科は以下の6つの亜科に再編されました。

亜科

ミツバチ亜科 (Apinae)

ミツバチ亜科には、従来のミツバチ、マルハナバチ、ハリナシバチ、シタバチの4つの族に加え、Centridini族が含まれます。ミツバチ、ハリナシバチ、マルハナバチは真社会性またはコロニー性を持ちます。これらの社会性はそれぞれ独自に発達したと考えられており、働き蜂同士のコミュニケーション方法や巣の作り方などに顕著な違いが見られます。一方、シタバチ族とCentridini族のハチは、基本的に単独で生活します。

Apini（ミツバチ族）
Bombini（マルハナバチ族）
Euglossini（シタバチ族）
Meliponini（ハリナシバチ族）
Centridini

コシブトハナバチ亜科 (Anthophorinae)

コシブトハナバチ族のみが含まれます。1990年代の分類では、ヒゲナガハナバチ族やヤドリコシブトハナバチなどを含むコシブトハナバチ亜科として、クマバチ亜科やキマダラハナバチ亜科とともにコシブトハナバチ科に分類されていました。

Anthophorini（コシブトハナバチ族）

ヒゲナガハナバチ亜科 (Eucerinae)

以下の族が含まれます。かつて1990年代の分類では、コシブトハナバチ科コシブトハナバチ亜科とされていました。

Ancylaini
Emphorini（亜族としてAncyloscelidinaとEmphorinaを含む）
Eucerini（ヒゲナガハナバチ族）
Exomalopsini
Tarsaliini

Ctenoplectrinae亜科

かつてはCtenoplectridae科とされていました。日本には分布していないため、和名はありません。

Ctenoplectrini
Tetrapediini

キマダラハナバチ亜科 (Nomadinae)

いずれも他のハチの巣に労働寄生する種であり、英語では「cuckoo bees（カッコウバチ）」と呼ばれます。

Ammobatini
Ammobatoidini
Biastini
Brachynomadini
Epeolini（スジヤドリハナバチ族、亜族としてEpeolina、Odyneropsina、Thalestriinaを含む）
Ericrocidini
Hexepeolini
Melectini（ヤドリコシブトハナバチ族）
Neolarrini
Nomadini（キマダラハナバチ族）
Osirini
Protepeolini
Rhathymini
Townsendiellini

クマバチ亜科 (Xylocopinae)

クマバチを含むクマバチ亜科は、ほとんどが単独種ですが、群生する傾向にあります。Allodapiniのようないくつかの族の系統は、真社会性の種を含みます。

この亜科のほとんどの種は、植物の茎や木に巣を作ります。

Allodapini
Ceratinini（ツヤハナバチ族）
Manueliini
Xylocopini（クマバチ族）

関連項目

ハチ (神話)
ハチによって受粉される農作物の一覧

外部リンク

BugGuide.Net: Family Apidae
* BugGuide.net: Native Bees of North America

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