ミドル・イースト・アイ

ミドル・イースト・アイ (Middle East Eye, MEE)

ミドル・イースト・アイ（MEE）は、2014年4月に設立されたロンドンに拠点を持つ独立系のオンラインニュースメディアです。中東地域で起こる様々な出来事を幅広くカバーし、その情報を提供することを目的としています。MEEの公式サイトによると、同メディアは「独立した資金源によって運営される」と明記されています。このことから、特定の政府や団体に依存せず、独自の視点で情報を発信する姿勢が伺えます。

MEEの主要なターゲットは、地域に住み、その運命に深い関心を寄せる全てのコミュニティの読者です。特に、現地の人々の声に重点を置いた局地的な記事を多く掲載しており、こうした点が他のニュースメディアとの差別化を図っています。ライターの多くはフリーランスの作家であり、ニュース、特集記事、論説などを手がけています。これにより、MEEは独自の視点を持った多様なコンテンツを提供しています。

組織構成と運営

MEEは、リミテッド・カンパニー（有限責任会社）であるM.E.E社が所有しています。その編集責任者は、かつてイギリスの『ガーディアン』で外務記事のチーフを務めたデヴィッド・ハーストです。また、約20人の常勤スタッフがロンドンのオフィスで働いており、ニュース制作に取り組んでいます。MEEの取締役であるジャマール・ベサッソは、以前アルジャジーラでの経験を持つことから、メディア運営のノウハウを生かしています。

批判と論争

MEEはその報道内容や資金源に関して、いくつかの批判や論争にも直面しています。特に、サウジアラビアやアラブ首長国連邦（UAE）などから、カタールやムスリム同胞団と接点があると指摘されることがあります。アメリカン・エンタープライズ研究所のマイケル・ルービンは、MEEがハマスのニュースに特化しており、編集責任者のハーストがムスリム同胞団を支持する立場を取っていると主張しています。また、サウジアラビアはMEEがカタールから資金を受けているとの観点から、その報道にバイアスがあると非難しています。

2017年には、カタール外交危機の中でサウジアラビアおよびその同盟国がMEEの閉鎖を含む要求を行ったこともありました。これに対してMEE側は、こうした要求を思想の自由への攻撃として批判し、独自の立場を守る姿勢を示しています。編集部は、これまでにカタール政府に対して批判的な立場を示す記事も配信してきたと説明しています。

結論

ミドル・イースト・アイは、中東地域に特化したニュースを提供することを目指す独立系メディアです。その報道には必ずしも賛否が分かれる要素が含まれていますが、地域の人々の視点や声を反映させることに重点を置いています。こうした取組みを通じて、MEEは中東のニュースを国際的な読者に向けて広く発信しています。

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