ミニッツ・トゥ・ミッドナイト

リンキン・パークの『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』

『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』は、アメリカのロックバンド、リンキン・パークによる3枚目のスタジオアルバムで、2007年5月15日にワーナー・ブラザース・レコードから全米でリリースされました。日本版は翌日の5月16日にワーナーミュージック・ジャパンより発売され、ボーナストラックとして『SUMMER SONIC 06』での「Faint」のライブ音源が追加されました。また、輸入版の初回限定盤には楽しめるDVDも付属しています。

アルバムの制作には、14ヶ月以上を費やし、100曲以上のデモから厳選された楽曲が収録されています。プロデューサーは、名高いリック・ルービンとマイク・シノダが担当しており、その影響もあってか、アルバム全体にわたってチェスター・ベニントンのロック的かつメロディックなボーカルが光っています。特に、ヒップホップの要素は薄れ、代わりに政治的メッセージが盛り込まれた深い内容となっている点が特徴的です。

本アルバムの収録曲には、「Hands Held High」や「Bleed It Out」といったラップ・ボーカルを含む曲もありますが、マイク・シノダのラップはこの2曲に限定されています。一方、「In Between」ではシノダ自身がリードボーカルを務めるなど、バンドの多彩な表現が楽しめます。また、ギタリストのブラッド・デルソンによる印象深いギターソロは「In Pieces」や「The Little Things Give You Away」などの曲に聞かれ、その独特なスタイルがリスナーに訴えかけます。

アルバムは、発売と同時に大きな成功を収め、ビルボード・アルバムチャートでは初登場1位を記録し、日本のオリコン・アルバムチャートでもバンド初の1位を達成しました。さらに、31ヶ国以上のアルバムチャートで1位を獲得するなど、その人気は計り知れません。リリース以来、累計で2000万枚以上のセールスを記録しており、音楽業界からの高い評価も得ています。

収録曲の紹介

アルバムには多くの楽曲が収録されていますが、中でも特に注目すべき楽曲をいくつかご紹介します。

• - Given Up（3:10）: 4thシングルとして2008年にリリースされました。この曲は、激しいギターサウンドと共に、チェスターの力強いシャウトが印象的で、特に後半のシャウトは聴く者に強い印象を残します。
• - Leave Out All The Rest（3:18）: 5thシングルとしてリリースされ、映画『トワイライト〜初恋〜』のオリジナルサウンドトラックにも収録されています。未来的な宇宙を背景にしたミュージックビデオも魅力的です。
• - Bleed It Out（2:54）: 2ndシングルとして登場し、全米シングルチャート52位を記録しました。
• - Shadow Of The Day（4:50）: 3rdシングルであり、ミュージックビデオがMTV Video Music Awardsで最優秀ロックビデオに輝きました。
• - What I've Done（3:29）: 環境問題や社会的なテーマを扱った内容が特徴でもあり、映画『トランスフォーマー』の主題歌にも使用されました。

このように、『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』は、音楽的な多様性と強いメッセージ性を兼ね備えた作品です。アルバムは、日本の音楽シーンにも大きな影響を与え、特にリンキン・パークの独自のスタイルが多くのリスナーに愛されています。現在でも古典的な名盤として語り継がれており、その影響力と音楽の力を改めて感じさせてくれます。

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