ミニヤー県

ミニヤー県の概要

ミニヤー県（アラビア語: محافظة المنيا）は、エジプトの中部に位置する県で、県都は同名のミニヤーです。この地域は、面積32,279平方キロメートルを誇り、人口は2014年時点で約500万人に達しています。この数字は、エジプト全体の約5.1%に相当し、面積では3.2%を占めています。

歴史と文化

ミニヤー県は古代エジプトの文明が栄えた地であり、アマルナやヘルモポリスなどの都市が存在した歴史を持っています。この地域は、コプト教徒が多数住んでいることで知られていますが、近年ではイスラム過激派組織ISILによる攻撃がいく度か発生し、地元のコミュニティに影響を与えています。

農業と産業

ミニヤー県では、ナイル川の恩恵を受けた肥沃な土壌での農業が盛んな活動の一つです。サトウキビ、綿、大豆、ニンニク、タマネギ、トマト、ジャガイモ、スイカ、ブドウなど、多種多様な作物が栽培されています。これらの農作物は地域経済に重要な役割を果たしており、特に綿はエジプトの伝統的な輸出品でもあります。また、工業分野も発展しており、食品加工、製糖、綿紡績、香水製造、油脂生産、セメントや石灰岩の採掘、さらにはレンガ産業などが活発に行われています。

発掘調査の成果

近年、ミニヤー県のトゥーナ・エル・ゲベル地域での考古学的調査が注目されています。エジプトの考古学チームが地下墓地内の回廊を調査し、17体のミイラを発見しました。このミイラは王族のものでなく、初めて民間人のものとされています。この発見はエジプト当局者によっても重要視されており、前代未聞の出来事として位置づけられています。

特に2019年4月には、ディスカバリーチャンネルが、古代の高位聖職者のミイラが納められた石棺の開封を生中継しました。これにより、ミニヤー近郊で見つかった数多くの立て坑が地下道や墓に繋がっていることが明らかになり、墓の中からは石棺やミイラ、さらには副葬品も発掘されました。この放送は古代エジプトに関心を持つ人々に大きな影響を与えました。

隣接する県

ミニヤー県は、周囲にいくつかの県があります。北にはベニ・スエフ県、東側には紅海県、南にはアシュート県とワーディー・ゲディード県が隣接し、西にはギーザ県があります。これらの県との接点が、ミニヤー県の文化的及び経済的な交流を促進しています。

まとめ

ミニヤー県は、その豊かな歴史と文化、発展した農業、そして注目される考古学的発見によって、エジプトの重要な地域としての位置を占めています。今後もこの地域のさらなる発展と、歴史の謎の解明が進むことが期待されます。

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