アマルナ

アマルナ：古代エジプトの短期間の首都

アマルナ（Amarna）またはエル・アマルナは、エジプトのミニヤー県に位置する古代の地です。この場所には多くの歴史的な遺構が残り、特に紀元前1353年ごろにファラオ・アメンホテプ4世（信仰名アクエンアテン）によって建設された都市として知られています。アマルナは、ファラオの新しい首都、アケトアテン（Akhetaten）として、アテン神を信仰する短い時期に存在していましたが、その後すぐに放棄されました。

アマルナの地名は、8世紀にリビア砂漠から移住した遊牧民Beni Amranに由来し、「テル・エル・アマルナ」とも呼ばれています。タ、アラビア語の「テル」は「遺丘」を指します。都市の規模は、ナイル川東岸に広がり、約13kmに渡って位置していました。対岸の地域は、大きな農地として利用されていたのです。

アケトアテンの歴史

アメンホテプ4世は、紀元前1346年にアケトアテンの建設を始めました。彼は自らの信仰の中心としてこの都市を選び、建物の多くは急いで泥レンガを用いて建設されましたが、重要な施設には地元産の石が使われていました。この都市は、ファラオの死後間もなく放棄されたため、古代エジプトの中でも構成がよく保存される結果となりました。都市の遺構は、後のローマ時代やコプト正教会時代にも利用されていました。

アマルナの遺構

アマルナの遺構は、北部に位置する「北の都市」と、中央の都市、そして南の郊外に分かれています。北の都市には、王族が住んでいた「北の王宮」があり、中央の都市ではアテン大神殿や行政機関が集まっています。南の郊外には、貴族の住宅や彫刻工房があり、有名なネフェルティティの胸像もここで発見されました。アマルナの建設時期と放棄の早さから、目立つ紀元的遺構が残っています。

アマルナ美術

アマルナ様式と呼ばれる特徴的な芸術もここから生まれました。従来の理想化された表現とは異なり、写実的かつ親密な場面が重視されました。このスタイルは、王族が子供たちと遊ぶ様子など、日常的な行動を描写します。こうした特徴的な芸術スタイルは後の時代にも影響を与えましたが、アテン信仰が衰退すると共にそのスタイルも廃れました。

発掘と研究の歴史

アマルナの遺跡は、18世紀初頭にフィールドワークが行われました。1714年、フランスの司祭クロード・シカールがこの地を初めて口にし、その後も数多くの歴史的な調査が行われました。特に19世紀には、アマルナ文書と呼ばれる300枚以上の楔形文字の粘土板が発見され、これが地域の重要性を高める要因となりました。20世紀に入ると、イギリスの考古学者たちが本格的な発掘調査を行い、都市の重要な発見を記録に残しています。

結論

アマルナは、エジプトの歴史において重要な役割を果たした都市であり、その短い存在から生まれた数多くの遺構は、古代エジプトの文化や宗教を理解する上で貴重です。今後の研究と発掘により、さらなる新しい知見が得られることでしょう。

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