ミハイル・ミハイロヴィチ

ミハイル・ミハイロヴィチについて

ミハイル・ミハイロヴィチ（1861年10月16日 - 1929年4月26日）はロシアの大公であり、ロシア帝国の歴史の中で特異な存在として知られています。彼はニコライ1世の四男であり、ミハイル・ニコラエヴィチ大公の次男としてペテルゴフに生まれました。母は大公妃オリガ・フョードロヴナであり、厳格な教育を受けた家庭で育ちました。

幼少期と家庭環境

幼い頃から父は軍人であり、少なからぬ時間を家庭に不在にしていました。これは母オリガがミハイルと兄ニコライに対して厳しい態度を取る原因となったため、ミハイルは常に兄と比較されながら育ち、母を避けがちになりました。成長すると、ミハイルもまた軍人の道を選び、露土戦争に従軍することで名を馳せ、大佐となりました。

サンクトペテルブルクへの転居

1882年、父が大臣に任命されたことで一家は帝都サンクトペテルブルクへ転居しました。彼はここで社交界の中心人物となり、華やかなパーティーや賭け事に時間を費やしました。しかし、皇帝アレクサンドル3世からは『馬鹿者』とみなされ、軽蔑されることも多かったようです。

結婚とその後の転落

ミハイルは花嫁探しに励み、数多くの貴族女性にプロポーズしましたが、いずれも断られました。最終的に、彼は1900年にニースで出会ったメーレンベルク伯爵家の令嬢ゾフィーと恋に落ちます。この結婚は、ロシア帝国法に反する貴賤結婚であり、大きな醜聞を引き起こしました。結果として、ミハイルは宮廷から追放され、ロシア入国を生涯禁止されました。

亡命生活

ロシアから追放された後、ミハイルはイギリス、フランス、そしてドイツで生活を送ります。ゾフィーは伯父であるルクセンブルク大公からトービー伯爵夫人の称号を受け、その後の生活は一時的には安定しましたが、次第に貧困に陥ります。第一次世界大戦とそれに続くロシア革命により、裕福な生活を支えていた資産はほとんど失われてしまいました。家庭の財政状況は厳しさを増し、生活は困難を極めました。

外交関係と家族の結婚

ロンドンではエドワード7世と親しい関係を築く一方で、爵位を得るための働きかけは功を奏しませんでした。長女アナスタシアは資産家と結婚し、家計を少しでも助けました。そして次女ナデジダもまた、イギリス王室と関係を持つ家族に嫁ぎ、家族の生活の支えとなりました。

精神的な衰退

しかし、家族の悲劇的な状況や、故郷ロシアでの惨禍を知るにつれて、ミハイルは精神的な均衡を失い、短気になっていきました。従者や妻に対する虐待も増え、特に1927年に妻ゾフィーを失って以降はその症状は悪化しました。最後には、1929年にロンドンでインフルエンザにより亡くなりました。

子女について

ミハイルとゾフィーの間には三人の子どもが生まれました。長女アナスタシアは準男爵と、次女ナデジダはバッテンベルク公の息子と結婚し、それぞれ家庭を持ちました。三男ミハイルは1938年にイギリスに帰化し、家系を続けています。

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