ミハイル・ユージニー

ミハイル・ミハイロヴィチ・ユージニー

ミハイル・ミハイロヴィチ・ユージニーは、1982年6月25日にロシア・モスクワで生まれた男子プロテニス選手です。彼は、シングルスの最高ランキングで8位、ダブルスでは38位を記録しています。彼のキャリアは、ATPツアーでのシングルス10回の優勝とダブルス9回の優勝から成り立っています。身長183cm、体重73kgのユージニーは、右利きでありつつ、片手バックハンドという特異なストロークを駆使し、多くの試合でその卓越した技術を披露してきました。日本のメディアでは「ユーズニー」と表記されることもあります。

選手としての歩み

ユージニーは6歳でテニスを始め、その後も順調に成長を遂げました。彼の大きな転機となったのは、13歳の時に地元モスクワで行われたデビスカップ1995の決勝戦でボールボーイを務めた経験です。この時、アメリカの選手たちと記念撮影をし、その光景は彼をプロテニスの世界へと駆り立てる契機となりました。プロ入りは1999年、全豪オープン男子ジュニア部門の準優勝を果たしたことが起点です。以降2000年からデビスカップロシア代表として活動を開始し、7年間にわたって代表メンバーとして出場しました。

特筆すべきは、2002年に20歳でデビスカップ決勝においてフランスとの戦いで最終試合のシングルスに抜擢された経験です。マラト・サフィンやエフゲニー・カフェルニコフとの連携を経て迎えたこの一戦では、逆転勝利を収め、ロシアにとって待望のデ杯初優勝をもたらしました。この快挙は、当時のロシア大統領エリツィンをも大いに喜ばせました。

大会での活躍

ユージニーは、2001年に全豪オープンでグランドスラムデビューを果たし、ウィンブルドン選手権でも多くの活躍を見せました。特に2006年には全米オープンでノーシードながら準決勝に進出し、権威あるトミー・ロブレドとラファエル・ナダルを相次いで打ち破ると、注目を集めました。しかし、準決勝ではアメリカのアンディ・ロディックに敗れました。この年のデビスカップではアルゼンチンを相手に決勝戦を戦い、ロシアが優勝を果たしたものの、ユージニーの出番はありませんでした。

オリンピックとスタイル

ユージニーはオリンピックにも出場経験があり、アテネ、北京、ロンドンの3大会に参加しました。特にアテネ五輪ではシングルス部門でベスト8入りし、今でも数々のファンに記憶されています。

彼のプレースタイルは、パワフルなグラウンドストロークと多彩なバックハンドスライスに特徴があります。片手バックハンドのトップスピンショットは、特に彼の武器の一つです。テニス界において多くのファンを惹きつけてきたユージニーは、彼の引退後もその足跡を踏襲する若い選手たちにとって、憧れの存在として、その影響力を持ち続けることでしょう。

引退後の活動

ユージニーは2018年9月のサンクトペテルブルク・オープンをもって現役を引退しました。彼の通算成績は400勝を誇り、ロシア人選手としてエフゲニー・カフェルニコフ、ニコライ・ダビデンコ、マラト・サフィンに次ぐ大記録を達成した彼のキャリアは、多くのテニスファンにとって記憶に残るものでした。

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