ミハルス

ミハルスとは

ミハルスは、木製の二枚の板を蝶番でつなげた形状の打楽器で、日本で特に幼児向けに考案された楽器です。そのデザインは、スペインのカスタネットを簡略化したもので、子どもたちが演奏しやすくなるように工夫されています。この楽器は、主に小学校の音楽教育に用いられていましたが、その後の教育用カスタネットの登場により、その役割は変わっていきました。

歴史と特徴

ミハルスは、日本の舞踊家である千葉躬春によって1930年代までに考案されました。彼の名前から「ミハルス」という名称がつけられました。従来のカスタネットが赤と青に塗られ、ゴムひもでつなげられているのに対し、ミハルスはそのデザインにおいて大きな違いがあります。外観は馬蹄形であり、蝶番で留まっているため、指を差し込んで開閉する仕組みになっています。また、直線状の一側が特徴的で、円形ではありません。

教育用カスタネットとの違い

歴史的に見ても、ミハルスは戦前の日本の教育現場で実際に使用されていましたが、そのために学習指導要領にも記載されるなど、カスタネットとミハルスが混同されていた時代もありました。昭和18年に出版された「国民学校教師の為の簡易楽器指導の実際」においては、カスタネットとミハルスが別々の章に分かれて扱われていました。特に、紐付きカスタネットは演奏技術を要するため、柄付きカスタネットが重用されていたという背景があります。

誤解の存在

2012年頃からインターネット上で、「教育用カスタネットの正式名称はミハルスである」という誤った情報が広まったことがあります。しかし、ミハルスは従来のカスタネットとは異なる形状で作られており、赤青に塗られたものではなく、ゴム紐も使用していないため、この情報は混乱を招くものでした。ミハルスと教育用カスタネットは年代こそ異なりますが、別の楽器であり、混同されるべきではありません。

参考文献

この楽器について詳しく知りたい方は、千葉躬春の著書『ミハルス教本 - 拍ち方と踊り方 千葉みはる創案』を参考にすると良いでしょう。また、日本カスタネット協会によるカスタネットの紹介や、ネタ袋の「ミハルスとは一体なんなのか」といったリソースでも、その背景や役割についての情報を得ることができます。

結論

ミハルスは、音楽教育の重要な一部を担い、特に子供たちに音楽の楽しさを伝えるために作り出された楽器です。その独自の形状と使用法は、時代を超えた価値を持ち続けています。

もう一度検索