ミヒャエル・シュティヒ

ミヒャエル・シュティヒ

ミヒャエル・シュティヒ（Michael Stich）は、1968年10月18日にドイツのピンネベルクで生まれた元男子プロテニス選手です。彼の身長は193cm、体重は79kgであり、その細身の体型から放たれる強力なサーブは、彼のプレースタイルの大きな特徴とされていました。サーブのスピードは時速200km/hを超え、彼の武器として世界中の選手たちを圧倒しました。彼は自己最高ランキングでシングルス2位、ダブルス9位を記録し、シングルスとダブルスの両方で世界のトップ10に入った数少ない選手の一人です。

テニスキャリアの始まり

シュティヒは、18歳までサッカーに情熱を傾けていましたが、1988年に20歳でプロテニス選手としてのキャリアをスタートさせました。彼のテニスキャリアの初期には、1991年に全仏オープンでジム・クーリエとの準決勝へ進出した実績があります。この出来事は、彼が世界の舞台で名を馳せる足掛かりとなりました。

次いで迎えた1991年のウィンブルドンでは、ボリス・ベッカーとの歴史的な「ドイツ対決」において、シュティヒが6-4, 7-6, 6-4で勝利し、4大大会での初優勝を果たします。この優勝は、同年の女子シングルスでもシュテフィ・グラフが優勝したため、2年ぶりの“ドイツ・アベック優勝”と称されました。

頂点への道

1992年のウィンブルドンでは、前年の優勝者として出場しましたが、準々決勝でピート・サンプラスに敗れ連覇は逃しました。しかし、男子ダブルスではジョン・マッケンローと組んで優勝し、試合時間5時間1分はウィンブルドン男子ダブルス決勝の史上最長記録です。シュティヒはこの年のバルセロナオリンピックでもドイツ代表として金メダルを獲得しました。

その後、1993年には男子テニスツアー年間最終戦でピート・サンプラスを破り、世界ランキングを自己最高の2位に上げました。しかし、その後の4大大会では思うような成績を収められず、1996年には全仏オープンで再び決勝に進出するも、エフゲニー・カフェルニコフに敗れました。この試合での敗北は、ドイツ人選手が1937年以降、全仏オープンで優勝するチャンスを逃すことになりました。

現役引退とその後

1997年のウィンブルドンでは再度ベスト4に進出しますが、フルセットでフランスのセドリック・ピオリーンに惜敗。肩の故障に悩まされる中、シュティヒはこの大会を最後に現役引退を決断しました。その後、35歳以上を対象にしたシニア・ツアーに参加し、テニス界への貢献を続けました。

シュティヒは2018年に国際テニス殿堂入りを果たし、彼の功績は現在も多くの人々に記憶されています。

プレースタイルと技術

彼のプレースタイルは、高速なサーブに加え、ボレーとバックハンドストロークにも高いスキルを持つオールラウンドなものでした。特に、94年以降はサンプラスやアガシといった同時代の選手に挑むも、彼らには一歩及ばず、アガシに対しては六連敗を喫するなどしました。それでも1991年のウィンブルドン優勝は彼のキャリアにとって大きな出来事となり、その後もテニス界における存在感を発揮し続けました。

もう一度検索