ミミウイルス科

ミミウイルス科（Mimiviridae）

ミミウイルス科は、ウイルスの分類における一科であり、主に肉質虫を自然宿主とする巨大DNAウイルスです。2014年現在、公式には2種2属が知られています。ミミウイルス科は、アスファ[[ウイルス科]]、イリド[[ウイルス科]]、フィコドナウイルス科、ポックスウイルス科、Dinodnavirusなどと共に巨大核質DNAウイルス（NCLDV: Nucleo-Cytoplasmic Large DNA Viruses）に分類されます。

歴史

ミミウイルス科で最初に発見された種であるミミウイルスは、2003年に発見されました。この発見は、ウイルスの概念を大きく変えるものでした。

分類

現在、ミミウイルス科には2種しか分類されていませんが、未発見・未分類の種が多数存在すると考えられています。例えば、Chrysochromulina ericina virus 01、Phaeocystis pouchetii virus 01、Pyramimonas orientalis virus 01などがこの科に分類される可能性が指摘されています。これらのウイルスは単離されていますが、詳細な研究はまだ進んでいません。

下位分類としては、ミミウイルス属とカフェテリアウイルス属の2つの属に分けられています。

ミミウイルス属: A（ミミウイルスなど）、B（ムームーウイルス）、C（メガウイルス・キレンシス、Courdo7、Courdo 11、Terra1など）の3つの系統に分かれています。ミミウイルス科の大部分はこの属に属すると考えられています。ミミウイルス科のヴィロファージは、ミミウイルスレポーターを用いて分離することができます。
カフェテリアウイルス属: カフェテリア・レンベルゲンシスウイルスが分類されています。

少なくとも17種がこの科に属すると考えられていますが、国際ウイルス分類委員会（ICTV）が2014年までに公式に認めているのは2種のみです。

構造

ミミウイルス科のウイルスは、直径約400nmの丸い20面体の形状をしています。カプシドの対称性はT=972からT=1141の間、およびT=1200です。ゲノムは約1200kbの大きさで、線形でセグメント化されていません。ゲノム中には911個のORF（Open Reading Frame：タンパク質をコードする領域）が存在します。

生活環

ミミウイルスの増殖様式は、DNA strand displacement modelに基づきます。DNA鋳型転写によって転写が行われます。主な自然宿主は肉質虫です。

分子生物学

レンチルウイルスのゲノムには、ヴィロファージ（Sputnik 2）のゲノムが組み込まれており、transpovironと呼ばれる可動遺伝要素となっていることが報告されています。Transpovironは線形のDNA要素で、約7キロ塩基対の大きさであり、6〜8個のタンパク質コーディング遺伝子を含んでいます。そのうち2つはウィロファージ遺伝子と相同性があります。

臨床

ミミウイルス類と肺炎との関連が指摘されていますが、その関連性の程度はまだ不明です。この科のウイルスでヒトから単離されたのはLBA 111のみです。ミミウイルス属と関節リウマチとの関連も示唆されています。

関連項目

ミミウイルス
カフェテリアウイルス属

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