ミヤマオウム属

ミヤマオウム属（学名：Nestor）は、オウム目フクロウオウム科に分類される鳥類の属です。模式種はカカ（Kaka）です。

分布

現生種はニュージーランドに2種が生息しています。絶滅種としては、オーストラリアのノーフォーク島に生息していたキムネカカ（Norfolk kaka）が知られています。

分類

かつてはインコ科（Psittacidae）の中で、ミヤマオウム亜科（Nestorinae）として独立したグループを構成していました。しかし、その後の研究で、オウム目の中でも比較的原始的な系統に位置づけられることが判明し、フクロウオウム属（Strigops）とともにフクロウオウム科（Strigopidae）に分類されるようになりました。ただし、ミヤマオウム属のみでNestoridae科を構成するという説もあります。

現在認められているミヤマオウム属の種は以下の通りです。

Nestor meridionalis　カカ (New Zealand kaka)
Nestor notabilis　ミヤマオウム (Kea)
†Nestor productus　キムネカカ (Norfolk kaka)　†は絶滅を示す

カカ (New Zealand kaka)

ニュージーランドの森林に生息する大型のオウムで、赤褐色の羽毛が特徴です。果実、種子、昆虫などを食べます。知能が高く、道具を使うことも報告されています。森林伐採や外来種の影響で、個体数が減少しています。

ミヤマオウム (Kea)

ニュージーランド南島の山岳地帯に生息するオウムです。緑色の羽毛を持ち、好奇心旺盛でいたずら好きな性格で知られています。観光客の持ち物を奪ったり、車のゴムをかじったりすることがあります。雑食性で、果実、根、昆虫、動物の死骸などを食べます。高山に適応しており、寒さに強いのが特徴です。

キムネカカ (Norfolk kaka)

ノーフォーク島に生息していた絶滅種です。カカに似た外見をしていましたが、より小型でした。森林伐採と狩猟により、19世紀に絶滅しました。

ミヤマオウム属の特徴

太くて丈夫な嘴を持つ
舌がブラシ状になっている
社会性が高く、群れで生活する
知能が高く、学習能力に優れる
寿命が長い

ミヤマオウム属は、ニュージーランドの生態系において重要な役割を果たしています。種子の散布や昆虫の駆除など、多様な生態機能に関わっています。しかし、森林伐採や外来種の影響、気候変動などにより、個体数が減少している種もいます。ミヤマオウム属の保護は、ニュージーランドの自然を守る上で重要な課題となっています。

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