ミュンヘベルク装甲師団

ミュンヘベルク装甲師団の歴史

ミュンヘベルク装甲師団（独: Panzer Division Müncheberg）は、第二次世界大戦の終盤、1945年に編成されたドイツ国防軍の装甲部隊です。この部隊は、1945年3月5日に形成され、指揮官にはヴェルナー・ムマート少将が就任しました。部隊の基盤は、わずか1日後に解散した第103装甲旅団から引き継がれました。本師団は、当初の目標には達しなかったものの十分な装備を整え、戦車や歩兵部隊を有していました。

編成と初戦

ミュンヘベルク師団は、その設立当初、赤外線暗視装置を装備したパンター戦車や装甲擲弾兵部隊を保有し、1945年4月には有力な戦力を持つに至りました。部隊の兵力は約6,836名で、第1SS装甲師団から歩兵部隊を編入することでさらなる強化を図りました。1945年3月22日に始まったキュストリンの戦いでは、赤軍に対する抵抗を試み、約200両の敵戦車を撃破しましたが、最終的には包囲され、大きな損害を被ることとなります。

ゼーロウ高地の戦い

1945年4月7日、ミュンヘベルク師団はゼーロウ高地へ移動し、夜襲による奇襲を企図します。この戦略が功を奏し、数日間陣地を保持することに成功しました。しかし、戦況は次第に厳しくなり、同月19日には第9降下猟兵師団が崩壊し、こちらも防衛線の崩壊に繋がります。結果として、師団はベルリンへの退却を余儀なくされます。

ベルリンの戦い

ミュンヘベルク師団は最終的にベルリンの周囲での防戦に従事することになり、鉄壁の防衛を試みましたが、物資不足と敵の猛攻で大きな損失を受けました。4月25日から28日にかけての戦闘では、わずか12両の戦車と30両のハーフトラックのみを保有する状態で防衛にあたりました。また、同時期に指揮系統の混乱や敵の爆撃により、部隊は次第に壊滅状態に陥りました。

降伏とその後

4月30日、アドルフ・ヒトラーが自決した後、ミュンヘベルク師団は第18装甲擲弾兵師団と共に初めて相応の行動をとります。彼らはベルリンの西部への撤退を試みたものの、赤軍の猛追に遭い、最終的に多くの兵士が捕虜となりました。1945年5月3日、師団はシュパンダウに達したものの、赤軍の猛烈な攻撃により壊滅的な状況に陥りました。

戦闘序列

ミュンヘベルク師団の戦闘序列には、特殊装甲連隊「コーブルク」や第29装甲連隊、複数の装甲連隊や擲弾兵連隊が含まれ、小規模な部隊が統合され、全体としての戦闘能力を高めていました。これらの部隊は、厳しい戦局の中で多くの困難を乗り越え、最終的にドイツの降伏へと導く流れの中で価値ある役割を果たしました。

結論

ミュンヘベルク装甲師団は、第二次世界大戦末期の複雑な戦局と戦闘を反映した部隊であり、その歴史は多くの犠牲と戦闘によって彩られています。

もう一度検索