ミョウショウジ

ミョウショウジ（明正寺）について

ミョウショウジ（学名: Prunus × introtsa 'Myoshoji'）は、サクラの園芸品種の一つで、愛媛県新居浜市の明正寺に生える桜です。別名「涅槃桜」とも呼ばれ、釈迦の入滅の日に咲く花として知られています。この品種は、寒さに強いカンザクラと中華圏から渡ってきたカラミザクラの雑種であると言われています。

由来と発見

愛媛県松山市周辺は、独自の桜の品種が多く存在する地域です。このミョウショウジもその一つで、1909年頃に植物研究家であり文化財保護委員の八木繁一によって明正寺で発見されました。彼は、「ツバキカンザクラ」という別の桜の品種も発見した研究者であり、ミョウショウジはそこから派生した特徴を持っていますが、特に春に咲く花の美しさが強調されています。

特徴

樹形

ミョウショウジは落葉性の小高木で、特徴的な樹形を持っています。この品種は、カラミザクラ由来の特徴が見られ、時折樹幹から気根が生じます。全体的に優雅な印象を与える樹木です。

花

この桜の花は3月中旬に開花します。散形状に4〜5花をつける花序は、5弁の一重咲きが特徴です。花径は約2.4〜3.2センチメートルで、花色は微淡紅色または白色です。花弁は長楕円形で、先端に切れ込みが見られ、全体的には浅い盃状に広がります。春の光の中でその繊細な色合いを輝かせ、多くの人々の目を楽しませなければなりません。

葉

葉の形状は楕円形で、長さはおおよそ10センチメートル、幅は4〜5センチメートル程度です。葉の基部は円形で、鋸歯には単鋸歯と重鋸歯が混在し、先端は鋭く尖っています。表側は暗黄緑色で裏側は淡緑色であり、幼葉では毛が多く見られますが、成葉になると徐々に無毛になります。また、葉柄の上部には蜜腺が見られ、ここでも珍しい特徴が伺えます。

分布と普及

明正寺の住職によって、このミョウショウジは新居浜市内外の寺社に広く植えられており、地域の春の風物詩となっています。この桜の存在は、地元の文化や自然に深く根付いており、多くの人々に愛されています。

参考文献と関連項目

• - 愛媛県百科大事典 編集室 （1985年）
• - 勝木俊雄著 『フィールドベスト図鑑 10 日本の桜』 （2001年）
• - 川崎哲也著 『山渓セレクション 日本の桜』 （1993年）
• - 永田洋・浅田信行・石川晶生編 『さくら百科』 （2010年）

このように、ミョウショウジは単なる桜の一品種ではなく、愛媛の文化や自然、そして地域の人々の生活に深く結びついた存在であることが分かります。

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