ミライザーバン

ミライザーバン

『ミライザーバン』は、1976年から1978年にわたって『マンガ少年』に連載されていた松本零士の漫画作品です。そのテーマは「時の輪」であり、主人公・井台半が肉体改造を受けて超人化し、様々な時空を旅する物語が描かれています。

あらすじ

井台半は学者の両親を持つ普通の少年でした。彼の穏やかな生活は、両親が進めていた秘密の研究によって一変します。ある日、半が学校に行っている間に、両親が助手の有紀螢と共に行った実験が失敗し、爆発事故が発生してしまいます。この事故によって家も両親も失った半は、叔父の家に引き取られることになります。

叔父によると、両親は「命の輪」という、人間が永遠に死なない生命体を創り出す研究をしていたのです。半は両親の研究について気になり、その助手である有紀螢の安否を心配して病院に向かいますが、そこで彼女は行方不明でした。しかし、その後、螢が車で現れ、彼を自宅に招き入れます。

螢の自宅には、半の両親が開発した装置があり、彼女は半を眠らせてその装置を使い、両親の研究の成果を彼に施すことにします。その結果、半は自らの能力に驚くことになります。普段では解けなかった数学の問題が容易に解けたり、両親の銀行口座や交友関係が頭に浮かんできたりと、彼の知識は飛躍的に向上しました。

しかし、この変化は彼に新たな危険をもたらします。半は「ミライザーバン」と名乗る謎の組織から追われる身となり、時間の輪の中へと引き込まれていくのです。

登場人物

• - 井台半/ミライザーバン: 本作の主人公であり、両親の研究成果を体験することで時間の輪の旅に出ることになります。彼は背が低く、メガネを掛けた少年です。
• - 有紀螢: 半の両親の助手であり、半の肉体の秘密を知っている重要なキャラクターです。彼女は組織からも狙われており、半を助けるために奔走します。また、半の両親が死亡した後は彼をサポートする役割を担うことになります。

書籍情報

『ミライザーバン』は、サンコミックス マンガ少年傑作シリーズや講談社漫画文庫など、さまざまな形態で再発行されています。初期の出版物はISBNが未付与ですが、以下の通りISBN付きの版も存在します。

• - サンコミックス:

- 1977年10月28日 ISBN 4-257-91463-7
- 1977年12月20日 ISBN 4-257-91467-X
- 1978年10月20日 ISBN 4-257-91495-5

• - 講談社漫画文庫:

- 1999年9月7日 ISBN 4-06-260625-9
- 1999年9月7日 ISBN 4-06-260626-7

このように、『ミライザーバン』は松本零士が描く幻想的な世界観と、時の流れに翻弄されながら成長する主人公の姿を余すところなく表現しています。

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