ミラージュコロイド

ミラージュコロイド

ミラージュコロイド（Mirage Colloid）は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』およびその続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、さらには劇場用アニメ映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場する架空の物質であり、主に光学迷彩技術に利用されています。これにより、MIL（Military Intelligence Level）のステルス性能が引き上げられ、戦闘における戦略的優位性が実現されています。

概要

ミラージュコロイドは特有の性質を持った物質で、可視光線を偏向させる能力があります。これはマイクロ・プリズムのように機能し、特に特殊なコロイド状の微粒子が集まって形成されています。これにより、さまざまな帯域の電磁波に対し干渉や変更を行うことが可能で、ビーム偏向やステルス効果として利用されます。

ミラージュコロイド・ステルス

ミラージュコロイドを使ったステルス技術は、電磁光学迷彩の一形態です。この技術では、ガス状のミラージュコロイドを磁場で物体表面に固定することにより、機体が受ける光を屈曲させてしまうことができます。この状態では、電磁波や可視光線は機体の後方に転送されるため、ほぼ完璧な隠蔽が可能になります。このステルス技術が初めて実装されたのは、ザフトの航空偵察タイプの「ジン」であり、当初は静止状態の運用が制限されていました。しかし、地球連合軍のMSである「G兵器」の「ブリッツ」では、戦闘中でも機能するバージョンが実現されています。

ただし、ミラージュコロイド・ステルスは音紋を完全に隠れさせることはできません。また、活動時にスラスター噴射を使用すると熱紋が発生し、隠密性が減少するため、移動には慣性移動が推奨されています。さらに、ミラージュコロイドの定着に必要な磁場の操作中はPS装甲の展開ができず、電場制御の高い電力消費によりバッテリー駆動型では運用時間に制約が生じます。そのため、核エンジンを搭載する機体では、ほぼ無限に活用できる可能性もあります。

また、ミラージュコロイドは水中で使うことができず、戦闘中に損傷を受けるとステルス性能が失われるリスクもあります。さらに、C.E.71年段階では黒い装甲の機体でのみ使用が認められる制限もありましたが、技術は進歩しその後は解消されました。

派生技術

ミラージュコロイドの特性は多種多様な技術や装備に応用されています。代表的なものには以下が含まれます。

• - ビームサーベル: ミラージュコロイドを利用してビームを刀身状に形成する技術。
• - ゲシュマイディッヒ・パンツァー: 敵のビームを偏向させる装甲技術。
• - デスティニーシリーズ: 自機の残像を放出し、敵を撹乱する技術。
• - マガノイクタチ: 敵機の電力を吸収する技術。
• - バチルスウェポンシステム: 敵の電子機器を侵入することでコントロールを奪う武器。
• - スクリーミング・ニンバス: 攻性のビームフィールドを展開する技術。
• - ビームアンテナガン: 電界制御技術を用いた装備。
• - アストレイ ミラージュフレーム: 他機の姿にカモフラージュする能力。

ユニウス条約とその影響

C.E.73年に施行されたユニウス条約により、ミラージュコロイドの軍事利用が禁止され、特にミラージュコロイド・ステルスは制限されました。しかし、実際には双方の軍によってこの条約に違反した開発が続けられ、マークされていない技術も多く存在しました。表面的には規制されたものの、ビームサーベルなど一部技術の使用は許可されており、実際の運用は継続されました。

ミラージュコロイドを装備した兵器例

ミラージュコロイド・ステルスを装備した機体は多数存在します。地球連合軍とザフト軍の両方がこの技術を応用した兵器を開発しており、戦闘においてその優位性を発揮しています。そのため、ミラージュコロイドは『機動戦士ガンダムSEED』シリーズにおいて重要な技術的要素として位置づけられています。

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