ミルク (アイドルグループ)

MILK：短くも鮮やかな輝きを放った少女アイドルグループ

1979年から1980年という短い期間ながら、日本の音楽シーンに一際鮮やかな足跡を残したアイドルグループ「ミルク」。当時小学生だった3人の少女たちが織りなした物語は、多くの人の記憶に今も深く刻まれています。この記事では、彼女たちの軌跡を詳細にたどります。

メンバー紹介

「ミルク」を構成していたのは、小畑和美さん（愛称：ミミ）、荻野目洋子さん（愛称：ルミ）、大森絹子さん（愛称：クミ）の3人。3人の愛称の頭文字を取って「ミルク」というグループ名が付けられました。

小畑和美さん（ミミ）：1969年4月16日生まれ。
荻野目洋子さん（ルミ）：1968年12月10日生まれ。後のソロ歌手として大成功を収めることになる人物です。
大森絹子さん（クミ）：1967年5月27日生まれ。

誕生からデビューまで

「ミルク」は、テレビ東京系列で放送されていた『ちびっこ歌まねベストテン』という番組から生まれました。番組に出演していた3人は、その歌唱力と個性で注目を集め、作曲家の竜崎孝路氏や番組スタッフによってアイドルグループとして結成されることになります。当初は番組内での活動が中心でしたが、ある転機が訪れます。

当時、ラブサウンズ音楽出版を経営していた平哲夫氏が、彼女たちの歌声を偶然耳にしたのです。その才能に惚れ込んだ平氏は、「ミルク」を自らの事務所に迎え入れ、本格的なデビューへと導きます。『ちびっこ歌まねベストテン』が終了した後の1979年4月、『ザ・あれから いちねん』でCBS・ソニーよりレコードデビューを果たします。このデビュー曲は、当時解散したばかりだったキャンディーズへのトリビュート企画として、キャンディーズのヒットメドレーを収録したものでした。

活動と解散

デビュー後も順調に活動していた「ミルク」でしたが、1980年8月、ワーナー・パイオニアに移籍。2枚目のシングル『リトル・キッス』をリリースし、本格的な売り出しが始まりました。しかし、この矢先に、荻野目洋子さん（ルミ）が芸能活動を辞退することを申し出ます。小学6年生の夏休みが終わることで学校生活を優先したいという理由でした。

ルミの脱退はグループにとって大きな痛手となりました。メンバーの補充も容易ではなく、グループとしてのバランスを維持することが困難と判断された結果、1980年、わずか2年の活動で「ミルク」は解散することになります。

ディスコグラフィー

「ミルク」が残した音楽作品は、彼女たちの短い活動期間を物語る貴重な記録となっています。主な作品は以下の通りです。

シングル

『ザ・あれから いちねん』(1979年4月1日)：キャンディーズのヒットメドレー。
『リトル・キッス』(1980年8月1日)

コンピレーション・アルバム

『スマイル・スペシャル・エディション』(1997年7月25日)
* 『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ（ガール・グループ）』(2009年5月26日)

結論

「ミルク」は、短期間の活動ながら、日本のアイドル史に独特の輝きを残したグループと言えるでしょう。彼女たちの歌声と、青春時代の一瞬を切り取ったような物語は、多くの人々の心に残り続けています。わずか2年間という短い時間だったからこそ、より一層、その存在が鮮烈に記憶に刻まれているのかもしれません。

もう一度検索