ミレッド

ミレッド：色温度を分かりやすく表現する単位

色温度は光源の色を表す指標として広く用いられていますが、数値の大小と色の見え方の関係が直感的ではありません。そこで、色温度の逆数である逆色温度を用いることで、数値の変化と色の見え方のずれをより一致させることができます。この逆色温度の単位として用いられるのがミレッド(mired)です。

ミレッドは、逆[色]]温度を表現する単位であり、色温度の感覚的な理解を助けるために考案されました。色温度がケルビン]で表されるのに対し、ミレッドは[[色温度の逆数を100万倍した値として定義されます。つまり、色温度T[K]の逆色温度M[mired]は、以下の式で表されます。

`M = 1,000,000 / T`

例えば、色温度25,000Kの青空は、40miredとなり、5000Kの撮影用フラッシュは200miredとなります。このように、ミレッドを用いることで、数値が小さくなるほど青みがかった色味になり、数値が大きくなるほど赤みがかった色味になるという関係が直感的に理解しやすくなります。

ミレッドの語源は、“micro reciprocal degree”の略で、10⁻⁶ (マイクロ)倍の[逆数]の度(degree)を意味します。SI単位系では、K⁻¹（毎ケルビン）が逆色温度の単位となります。ミレッドは、このSI単位の10⁻⁶倍、つまりµK⁻¹（マイクロ毎ケルビン）に相当します。正確には、SI組立単位の表記規則に従うと、MK⁻¹（毎メガケルビン）と表記するべきですが、実際にはmiredが広く用いられています。

ミレッドは、特に写真撮影において、色温度を調整する際に便利な単位です。フィルムやデジタルカメラのホワイトバランス調整など、色温度を正確に制御する必要がある場面で活用されます。異なる光源下での撮影において、ミレッド値を基準にホワイトバランスを調整することで、より自然で正確な色再現が可能です。

ミレッドの便利な点は、色温度の差が色の違いにほぼ比例することです。例えば、100miredと110miredの色温度差は、200miredと210miredの色温度差と、色の違いにおいてほぼ同等になります。これは、色温度を直接用いる場合と比較して、色の違いをより直感的に理解しやすいためです。

ミレッドの倍数単位として、10ミレッドを意味するデカミレッド(decamired)も用いられることがあります。デカミレッドは、ミレッドの10倍の単位であり、より大きな数値範囲の色温度を表現する際に便利です。

ミレッドは、色温度をより分かりやすく表現するための便利な単位です。写真撮影や照明技術など、色温度の正確な制御が求められる分野で、その有用性が広く認識されています。

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