ミレニアム駅 (シカゴ)

ミレニアム駅

アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに位置する主要な鉄道駅の一つです。シカゴダウンタウンの中心部、ループ地区の北東に広がるミレニアム・パークの地下に所在しており、かつてはランドルフ・ストリート駅として知られていました。州内の通勤鉄道であるメトラのME線（メトラ電車線）と、インディアナ州サウスベンドへ向かうサウスショアー線が乗り入れるターミナル駅として機能しています。一日あたり約2万人の利用客を迎える、シカゴの公共交通ネットワークにおいて重要な拠点です。

歴史

現在の駅がある場所には、1960年代にランドルフ・ストリート駅として最初の駅舎が建設されました。建設当初、駅はミシガン湖のほとりに位置し、シカゴ市街の中心部からはやや離れた場所でした。当時、イリノイ・セントラル鉄道の線路は、ルーズベルト・ストリートからランドルフ・ストリートにかけて湖岸に沿って敷設され、一部は水面上に設けられていました。その後の土地の埋め立てが進むにつれて、駅の周辺地域も徐々に開発・発展していきました。

1920年代には、隣接するグラント・パークの大規模な改修計画に合わせて、ランドルフ・ストリート駅も大幅に改修されました。その後も駅施設の改良は続けられ、1960年代や1987年にも改修工事が実施されています。この間、駅施設の上部には高層ビルが次々と建設され、1955年のワン・プルデンシャル・プラザ、1970年のワン・イリノイ・センター、1990年のツー・プルデンシャル・プラザなどが建てられました。

1987年には、メトラがイリノイ・セントラル鉄道のElectric線を買い取り、現在のME線の一部となりました。

1990年代後半には、ランドルフ・ストリート高架橋の緊急修復工事およびミレニアム・パークの建設プロジェクトと並行して、ランドルフ・ストリート駅の大規模な改修工事が行われました。数年間に及ぶ複雑な地下工事を経て、刷新された「ミレニアム駅」として、2004年の一部供用開始、そして2007年3月の全体供用開始に至りました。

構造

ミレニアム駅は完全な地下駅です。地下1階に広がるコンコースには多数の店舗が並び、利用客向けの待合室や窓口が設けられています。このコンコースは、シカゴダウンタウンの地下通路網である「ペドウェイ (Chicago Pedway)」とも接続しており、悪天候時でも周辺の建物や交通機関とのアクセスが容易です。青いテラゾ床が特徴的なコンコースから、階段やエスカレーターを利用して地下2階のプラットホームへと降りる構造になっています。

駅施設の利用可能時間は以下の通りです。

待合室：毎日 午前5時 - 深夜12時50分
窓口：月曜～土曜 午前5時55分 - 深夜12時50分、日曜 午前7時 - 深夜12時50分

乗り入れ路線

ミレニアム駅には、以下の2つの鉄道路線が乗り入れています。

メトラ ME線 (Metra Electric Line)
南方面へ向かう路線で、University Park行きの本線の他、Blue Island行き、93rd St行きの3つの系統に分岐します。メトラの路線の中で最も運転本数が多く、主に2階建て車両のハイライナーが使用されています。
サウスショアー線 (South Shore Line)
インディアナ州サウスベンドにあるSouth Bend International Airport駅までを結び、所要時間は約2時間半です。イリノイ州内のミレニアム駅とKensington駅の区間は、メトラME線と同じ軌道を利用しています。

アクセスと接続

ミレニアム駅はシカゴループ地区のすぐ東側に位置しており、市内の公共交通機関との接続が非常に良好です。

エントランス

主要な地上出入口は以下の通りです。これらに加えて、ペドウェイを介したアクセスも可能です。

Michigan 出入口: Michigan AvenueとRandolph Streetの交差点の南北に2ヶ所あります。シカゴ・Lの高架路線「ループ」のRandolph駅への乗り換えに便利です。
South Water 出入口: South Water StreetのMichigan Avenueより東側に位置しています。
プルデンシャル・センター内出入口: 高層ビルであるプルデンシャル・センター内部からもアクセスできます。

他の公共交通機関への接続

CTAバス: 駅構内にはCTA（シカゴ交通局）トランジットカードの自動券売機が設置されています。CTAバスの路線や停留所は交通状況により変動することがあるため注意が必要ですが、多数の路線が駅周辺を経由しています。
例: #3 King Drive, #4 Cottage Grove, #6 Jackson Park Express, #124 Navy Pier, #151 Sheridanなど。
CTA シカゴ・L:
ループ線 (Green, Brown, Orange, Pink, Purple Line): Michigan出入口から西へ1ブロックのRandolph駅へ。
Blue Line: Michigan出入口から西へ3ブロックのWashington (& Dearborn) 駅へ。
Red Line: Michigan出入口から西へ2ブロックのLake (& State) 駅へ。
Paceバス: #855 I-55 Flyerなどの特定のパークアンドライド路線が朝夕ラッシュ時に運行されています。
ChicaGo Dash: インディアナ州ヴァルパレーゾとの間を結ぶ高速バスが朝夕ラッシュ時に利用可能です。

空港への接続

シカゴ・オヘア国際空港: CTA Blue Lineを利用するのが一般的で、所要時間は約90分です。タクシーの場合は、交通状況によりますが30分程度（約40ドル）から、混雑時は75分以上かかることもあります。
シカゴ・ミッドウェー国際空港: CTA Orange Lineを利用できます。所要時間は約60分です。タクシーの場合は、交通状況によりますが20分程度（約25ドル）です。

その他

ミレニアム駅は、2008年公開の映画「ダークナイト」の撮影に使用されたことでも知られています。

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