メトラ

メトラ（Metra）

メトラは、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ及びその周辺地域において運行される通勤鉄道です。この鉄道は、北東イリノイ地域鉄道公社によって運営されており、イリノイ州内の公共交通を包括的に管理するRTAの一部として機能しています。

概要

メトラは、11の路線と240の駅を設け、イリノイ州内の六つの郡をカバーしています。アメリカ合衆国におけるモータリゼーションが進行している中にあっても、メトラは平日で1日平均30万人以上を運ぶ、非常に利用される通勤鉄道です。休日は10万人弱の利用者があるものの、年間の輸送量は8100万人にも上ります（2010年のデータ）。

歴史

1960年代中頃、シカゴの通勤鉄道事業は衰退を見せ始めます。1970年代に入ると、多くの鉄道会社は運営に必要なだけの収入を得るのがやっとであり、古い車両の更新も必要となっていました。この状況に対処するため、シカゴ市は1974年に地域交通局（RTA）を設立し、公共輸送の取り組みを開始します。1984年にはメトラが設立され、地域内の通勤鉄道サービスが再編成されました。現在、RTAはメトラやシカゴ交通局（CTA）、さらにPaceバスの運営をサポートしています。

路線網

メトラには11の主要路線があり、シカゴの中心部にある4つのターミナル駅から、郊外へのアクセスを提供しています。これらの路線の中には、BNSF線やいくつかのユニオン・パシフィック鉄道への委託路線が含まれています。

ターミナル駅

• - ユニオン駅: メトラの中で最も大きな駅で、6つの路線がここを発着します。また、アムトラックのターミナルでもあります。
• - オギルビー・トランスポーテーション・センター: ユニオン駅から近く、旧ノースウエスタン駅です。この場所は主要な北側のターミナルとして利用されています。
• - ミレニアム駅: サウスショアー線のターミナルでもあり、電化された路線が発着します。
• - ラサール・ストリート駅: ここでは1路線が運行されています。

車両と運行方式

メトラの車両には、ディーゼル機関車と客車の組み合わせのほか、一部路線では電車も運行されています。特に2階建て車両が多く、低床ホームに合わせたデザインの新しい車両が採用されています。古い客車も引き続き使用されていますが、段階的に新型車両に置換えられています。2024年には新車両が導入される予定です。これにより、より快適な通勤が実現します。

高い安全性と利便性

メトラは運行において非常に高い時間厳守率（2007年には95.7%の非遅延率）を誇ります。運賃はゾーン別の料金体系が採用されており、利用者は移動距離に応じた料金を支払います。切符購入は駅の窓口や自動券売機で可能で、車掌からの購入も認められていますが、手数料がかかるため事前の購入が推奨されます。

結論

メトラはイリノイ州シカゴとその周辺地域において、通勤交通の重要な役割を果たしています。その利便性や安全性、高い運行の信頼性から、多くの利用者に支持されています。今後の新型車両導入により、そのサービスはさらに向上すると期待されています。

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