ミレヤ・モスコソ

ミレヤ・エリサ・モスコソ・ロドリゲスは、1946年7月1日にパナマのペダシ地方で生まれました。彼女はパナマの政治家であり、1999年から2004年まで同国の大統領を務めました。また、1991年から1999年までパナメニスタ党の代表も務めました。彼女はパナマ初の女性大統領として知られています。

モスコソは教師の父親のもと、6人兄弟の末っ子として育ちました。10歳の時に父親を亡くし、高校卒業後にはアルヌルフォ・アリアス大統領の秘書となりました。1968年の大統領選挙でアリアスを支援しましたが、彼は再選後わずか11日で軍によって退陣させられました。その後、モスコソはアリアスと共にアメリカのマイアミへ亡命し、翌年に結婚しました。当時、モスコソは23歳、アリアスは67歳でした。亡命中、彼女はマイアミ・デード大学でデザイン学の学位を取得しました。

1988年にアリアスが亡くなると、モスコソは彼が遺したコーヒー事業を引き継ぎました。1991年にはパナメニスタ党の代表に就任し、政界での地位を確立しました。同年、実業家のリカルド・グルーバーと再婚し、養子を迎えました。

1994年の総選挙では、亡き夫の政党から大統領候補として立候補しましたが、落選しました。しかし、1999年の総選挙でマルティン・トリホスを破り、大統領に選出されました。大統領在任中には、パナマ運河の全面返還という歴史的な出来事がありましたが、アメリカ軍の撤退費用をパナマ政府が負担したため、経済は疲弊しました。

2000年には、オマール・トリホス独裁政権時代に殺害された司祭の遺体が発見されるという事件が発生し、モスコソは捜査委員会を設立しました。しかし、政権末期には、公費で購入した時計を国民議会議員に贈賄した疑惑や、税制改革への反発、公費による衣服やジュエリーの購入などが発覚し、国民からの批判を浴びました。また、任期中にキューバやベネズエラの亡命ジャーナリストに恩赦を与えたことが、後に最高裁判所によって違憲と判断されました。

モスコソは中華民国から采玉大勲章を授与されています。

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