采玉大勲章

采玉大勲章

采玉大勲章は、中華民国で最も権威のある勲章です。この勲章は、国家の最高指導者や、中華民国に多大な貢献をした外国の元首に授与されます。

概要

采玉大勲章は、その文化的背景から、日本の大勲位菊花章頸飾や、ロシアの聖アンドレイ勲章、フランスのレジオンドヌール勲章頸飾のような頸飾ではなく、大綬章と星章で構成されています。勲章の中央には中華民国の国章が配置され、国家の主権を表しています。着用方法は、右肩から左下へ大綬を佩用します。

歴史

采玉勲章は1933年12月22日に制定され、同年の頒給勲章条例で采玉大勲章と共に設けられました。采玉勲章には、色分けされた9つの等級が存在します。制定当初の英訳は「Order of Jade」でした。1941年1月24日の勲章条例では、采玉勲章に加えて中山勲章、卿雲勲章、景雲勲章が制定されました。

1938年6月には、ドイツ空軍元帥のエアハルト・ミルヒに一等采玉勲章が贈られています。

改名提案

2007年4月、民主進歩党の余政道は、采玉大勲章の名称が蔣介石の母である王采玉に由来することから、「台湾大勲章」への改名と、中正勲章の廃止を提案しました。しかし、この提案は採択されませんでした。2017年9月には、時代力量の林昶佐や民進党の呂孫綾が、采玉大勲章の名称の由来を理由に、再度改名提案を行いました。これらの提案は、勲章の名称が特定の人物に結びついていることへの批判から生じたものです。

受章者

采玉大勲章は、中華民国の元首だけでなく、友好国の元首にも贈られています。主な受章者は以下の通りです。

1933年12月：林森（中華民国国民政府主席）
1943年8月：蔣介石（中華民国国民政府主席）
1975年4月：厳家淦（中華民国総統）
1978年5月：蔣経国（中華民国総統）
1988年1月：李登輝（中華民国総統）
1999年3月：ミゲル＝アンヘル・ロドリゲス（コスタリカ大統領）
2000年7月：ミレヤ・モスコソ（パナマ大統領）
2001年3月：イポリト・メヒーア（ドミニカ共和国大統領）
2001年5月：陳水扁（中華民国総統）
2002年10月：リカルド・マドゥーロ（ホンジュラス大統領）
2004年1月：フラディケ・デ・メネゼス（サントメ・プリンシペ大統領）
2004年5月：ニカノル・ドゥアルテ（パラグアイ大統領）
2004年8月：アントニオ・サカ（エルサルバドル大統領）
2005年1月：ビング・ワ・ムタリカ（マラウイ大統領）
2005年8月：オスカル・ベルシェ（グアテマラ大統領）
2008年10月：アルバロ・コロン（グアテマラ大統領）
2010年6月7日：アノテ・トン（キリバス大統領）
2011年3月14日：フェルナンド・ルゴ（パラグアイ大統領）
* 2013年：フェデリコ・フランコ（パラグアイ大統領）

采玉大勲章は、中華民国の歴史と文化を象徴する重要な勲章であり、その名称や授与対象を巡る議論は、国家のアイデンティティと密接に関わっています。

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