ミーティア (ミサイル)

ミーティア（Meteor）について

ミーティアは、MBDA社が開発したアクティブレーダー誘導式の長距離空対空ミサイルであり、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、スウェーデンなどの空軍で採用されています。このミサイルは、視界外射程の空対空ミサイル（BVRAAM）であり、強力な電子妨害が存在する環境下でも多目標を攻撃する能力を持つことを目的としています。

開発の背景

ミーティアの開発は、2000年から本格的に開始されました。その目的は、ヨーロッパ諸国の軍需産業の発展を促進することでした。開発の過程では、イギリス国防省が提出した情報提供に基づき、複数の企業が参加し、5つの企業がMBDAとともに開発を進めました。このプロジェクトの成功により、アメリカ企業が支配していた長距離空対空ミサイル市場に、欧州企業が強く参入することとなりました。

イギリス空軍のBAeダイナミクス社製スカイフラッシュの後継機として位置付けられ、イギリスの「国防要求書（航空）1239」に基づいて開発が進められました。公式な性能要件は発表されていませんが、当時の最新技術を活用し、AIM-120 AMRAAMの性能を上回る要求がされていたと考えられています。特に、Su-27と競合するための回避不能ゾーンを強化することが求められました。

ミーティアの特徴

ミーティアのデザインは、タイフーン戦闘機に半埋め込み式で搭載可能な形状で、他のミサイルと比較してコンパクトに設計されています。このため、空中での機動力を維持しつつ、発射機からの運用が容易になるよう工夫されています。

派生型の開発

JNAAM（Joint New Air-to-Air Missile）

ミーティアの派生型として、F-35のウェポンベイに搭載できるように設計されているJNAAMがあります。これは、制御翼を20%短縮し、エアインテークの形状を変更したもので、日本とイギリスが共同研究を進めています。この共同研究により、日本のシーカー技術をミーティアに適用した場合の性能を分析する試みが行われています。運用可能性に関する研究も進展しており、2018年からは実射実験も計画されています。

対レーダー型

また、ミーティアは対レーダーミサイル型としての開発も検討されていました。特に2001年からは、ユーロファイターに搭載する案が浮上していましたが、財政的な理由により現在は開発が中止されています。

運用国

現在、ミーティアを運用している国々には、以下の空軍があります：

• - イギリス（イギリス空軍 / タイフーン）
• - ドイツ（ドイツ空軍 / タイフーン）
• - イタリア（イタリア空軍 / タイフーン）
• - スペイン（スペイン空軍 / タイフーン）
• - フランス（フランス空軍 / ラファール）
• - カタール（カタール空軍）
• - スウェーデン（スウェーデン空軍 / グリペン）

ミーティアは、今後の空対空ミサイル技術の進展における重要な要素であり、これからの軍事戦略における要所となることでしょう。

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