ミーナ・マッツィーニ

ミーナ・マッツィーニ：イタリアを代表する国民的歌手

ミーナ・マッツィーニ（Mina Mazzini、1940年3月25日 - ）は、イタリアのブスト・アルシーツィオ出身の歌手です。その歌声は3オクターブに及ぶソプラノで、1960年代には、ミルバ、オルネラ・ヴァノーニ、イーヴァ・ザニッキと並び、イタリアで最も人気のある女性歌手の一人として知られています。彼女の音楽はイタリア国内の音楽チャートを席巻し、その人気は15年間にも及びました。これまでに70枚以上のアルバムとシングルを発表し、1億5000万枚を超えるレコードを売り上げ、アドリアーノ・チェレンターノと並び、イタリアで最も売れている歌手の一人としてその名を刻んでいます。

生い立ちと初期のキャリア

ロンバルディア州の労働者階級の家庭に生まれたミーナは、幼少期に家族の仕事の関係でクレモナに移住しました。アメリカン・ロックンロールやジャズに触れ、音楽への関心を深めていったミーナは、1958年に高校を卒業後、大学で会計学を専攻する傍ら、クラブ歌手として音楽活動をスタートさせました。1959年には「ネッスーノ」をヒットさせ、その抜群のスタイルと美貌も相まって、一躍トップスターの仲間入りを果たします。

スキャンダルと復活、そして引退

1963年、ミーナは私生児を出産したことがきっかけで、一時的にテレビやラジオから追放されるという苦難を経験します。しかし、その後見事に復活を遂げ、数々のヒット曲を世に送り出しました。1974年以降はテレビやコンサートへの出演をやめ、アルバム制作やライブ活動に専念するようになります。私生活では、恋人や配偶者との離別・死別を経験するなど、決して平坦な道のりではありませんでした。

近年の活動と私生活

近年はライブへの出演は控えているものの、2009年のサンレモ音楽祭の開会と閉会で歌唱を披露したり、2016年にはアドリアーノ・チェレンターノとのアルバム『Le Migliori』を発表し、イタリアで最も売れたアルバムとなるなど、その活動は多岐に渡ります。2018年にはニュー・アルバム『MAEBA』をリリースし、イタリアのアルバムチャートで1位を獲得するなど、現在も精力的に活動を続けています。

10代の頃は競泳選手として活躍していたミーナは、16歳の時に最初のボーイフレンドと出会います。1962年には俳優のコラード・パーニとの恋愛関係が発覚し、スキャンダルとなりますが、二人の間には息子マッシミリアーノ・パーニが誕生しました。その後も、兄弟の死、数々の恋愛、結婚、離婚を経て、現在は心臓専門医のエウジェニオ・クエイニと結婚し、スイスで暮らしています。

日本でのミーナ

ミーナの楽曲は、日本でも多くのアーティストによってカバーされています。「Tintarella di luna」は「月影のナポリ」として、「Un Buco Nella Sabbia」は「砂に消えた涙」として、「Eclisse Twist」は「太陽はひとりぼっち」として親しまれています。

ミーナ・マッツィーニは、その圧倒的な歌唱力と表現力で、数々の名曲を世に送り出し、イタリアの音楽史に燦然と輝く足跡を残しました。彼女の音楽は、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。

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