砂に消えた涙

「砂に消えた涙」：イタリアの名曲

「砂に消えた涙」（原題：Un buco nella sabbia）は、1964年にイタリアの著名な歌手ミーナが発表した楽曲です。この曲はピエロ・ソフィッチが作曲を、アルベルト・テスタが作詞を手掛けています。イタリア語の原題は「砂に掘った穴」を意味し、深い感情を表現しています。

ミーナのオリジナル

ミーナは、1964年5月に「Se Mi Compri Un Gelato」をB面に収めたシングルとしてこの楽曲をリリースしました。曲はその後、1965年にリリースされたアルバム『Studio Uno』にも収録されています。このアルバムは彼女の音楽キャリアの中でも特に重要な作品の一つとして知られています。

日本においては、漣健児が日本語の歌詞を提供することになり、当初は弘田三枝子を想定して作成されました。しかし、意外にもミーナ自身が日本語詞を用いて歌い、1965年1月には日本ビクターから「砂にきえた涙」としてシングルがリリースされました。このシングルはA面に日本語版を収録し、B面にはイタリア語版が収められていました。

後に1975年、日本語詞をタイトルにしたコンピレーション・アルバム『砂に消えた涙』がキングレコードから発表され、日本語歌唱バージョンが収められ、再びこの曲の魅力が再認識されることとなりました。

日本語詞によるカバーの広がり

「砂に消えた涙」の日本語詞版は、多くの日本のアーティストによってカバーされています。特に記憶に残るカバーは以下の通りです。

• - 弘田三枝子: 1964年12月にリリースされたシングル「はじめての恋人」のB面に収録。
• - 坂本スミ子: 1965年3月のシングル「アンジェリータ」のB面。
• - 伊東ゆかり: 1965年のアルバム『サン・レモのゆかり』に収録。
• - ザ・ピーナッツ: 1965年7月のアルバム『アモーレ スクーザミ ピーナッツのヒット・パレード第6集』に収録。
• - 黛ジュン: 1967年のアルバム『Jun Mayuzumi』に含まれています。

さらに、1973年に放送されたNHKの音楽番組「ステージ101」には、レギュラーグループのヤング101が参加し、この曲を披露しました。その他に、安西マリアや榊原郁恵、北原佐和子などのアーティストもこの楽曲を取り上げ、特に1994年の憂歌団や2002年の矢沢永吉のカバーは、新たなファン層を生む要因となりました。

加えて、2003年には竹内まりやのカバー・アルバム『Longtime Favorites』や、2004年の岸谷香のコンピレーション・アルバムにも収録され、時代を超えて愛され続けています。近年では、岩崎宏美や加藤いづみもこの作品をカバーし、さまざまな感情を紡ぐ一曲として親しまれています。

このように、「砂に消えた涙」はイタリアの発信源としての魅力を持ちつつ、日本の音楽シーンでも広く受け入れられ、今なお多くのアーティストに影響を与え続けているのです。

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