ミー・アンド・マイガール

ミー・アンド・マイガール（Me And My Girl）

概要

『ミー・アンド・マイガール』は、1930年代のロンドンが舞台のミュージカルで、初演は1937年です。イギリスで人気を博したこの作品は、しばしば『マイ・フェア・レディ』の男性版とも称され、特に音楽や踊りが特徴的です。コミカルなストーリーと共に、カラフルなキャラクターたちによって彩られます。

この作品は、当初コメディアンのルピノ・レインを考慮して作られ、彼自身が主役のビル役を演じました。彼の体当たりの演技は評判を呼び、長期にわたる公演につながりました。ルピノはその後も数度にわたりビルを演じ続け、この作品の顔となりました。1985年にはロバート・リンゼイがビルとしてリバイバル上演し、1986年にはニューヨークのブロードウェイにも進出しました。

あらすじ

物語は1930年代後半のロンドンに設定されています。背景には、ヘアフォード伯爵家という名門貴族の家があり、その家の当主が亡くなった後、後継者選びが行われます。当主の遺言書には、若い頃の不品行から生まれた一人息子であるウィリアム（通称ビル）の存在が記されています。ビルを見つけ出し、彼が貴族にふさわしいか判断することが遺言の重要なポイントです。

親族が集まり、伯爵邸でこの問題の話し合いが始まります。遺言執行人の公爵夫人マリアをはじめ、親戚一同が集結。しかし、見つかったビルは下町・ランベスで育った無教養で荒々しい青年でした。伯爵家の面々はビルの存在を受け入れられず、特にジョン卿の反発が強いです。しかし、公爵夫人マリアはビルを貴族として教育することに決めます。

一方、ビルには下町出身の恋人サリーがいます。彼女はビルの新しい生活に不安を感じ、貴族の礼儀作法が求められるビルとの関係に自信を失います。そんな中、サリーに目をつけたジャッキーは、ビルを誘惑しようとしますが、ビルはサリーへの忠誠心で彼女の誘惑に屈しません。

物語は、ビルが貴族として成長していく一方で、サリーとの関係が揺らいでいく様子を描きます。サリーは次第に自ら身を引く決心をし、ビルに恥をかかせる行動を取ることを決意します。彼女の行動に対して、ジョン卿はある取引を持ちかけ、物語は意外な展開を迎えます。

主な登場人物

• - ビル（ウィリアム）・スナイブスン: 主人公で、ランベス出身の青年。
• - サリー・スミス: ビルの恋人で、魚市場で働いている。
• - ジョン・トレメイン卿: マリアの友人で、遺言の執行人。
• - ディーン・マリア公爵夫人: ビルの叔母で、遺言の執行人。
• - ジェラルド・ボリングブローグ: ジャッキーのフィアンセ。
• - ジャクリーン（ジャッキー）・カーストン: 財産目当てでビルを誘惑する。

このミュージカルは、コメディとドラマが絶妙に織り交ぜられた作品であり、舞台上でのパフォーマンスが観客を魅了すること間違いありません。

日本での上演

『ミー・アンド・マイガール』は日本でも何度も上演されており、特に宝塚歌劇団による舞台は人気を集めています。東宝版も数回の上演が行われ、それぞれ異なる演出が成されてきました。特に帝国劇場での公演は注目を集め、様々なキャストがビルを演じる機会がありました。演出家やキャストが変わることで、作品自体の新たな魅力が発揮されることも見どころです。

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