ムクワジュ・アンサンブル

ムクワジュ・アンサンブル（Mkwaju Ensemble）

ムクワジュ・アンサンブルは、日本の打楽器を中心としたアンサンブルグループであり、1979年に著名な作曲家である久石譲によって設立されました。このグループは、久石が音楽大学在学中から自身のミニマル・ミュージックの活動を展開する一環として形成されました。

結成の背景

ムクワジュ・アンサンブルは、久石譲が卒業後、彼が以前に関わっていた「プラーナ・アンサンブル」を基にして発展的に解消し、打楽器奏者のみを集めて新たに構成されました。このアンサンブルの主要な目的は、ミニマルミュージックという現代音楽の一形態を追求することでしたが、音楽の流行や新たなスタイルが登場する中で、グループ内の方向性に微妙なズレが生じるようになりました。

特に、ブライアン・イーノによるアンビエント・ミュージックの影響を受け、メンバーの中にはフュージョンの分野とのコラボレーションを望む声も上がり、時が経つにつれてその方向性は混乱をきたしました。

音楽活動とアルバム

1981年、ムクワジュ・アンサンブルは久石のプロデュースにより、日本コロムビアのBETTER DAYSレーベルからファーストアルバム『MKWAJU』をリリースしました。このアルバムは、久石が10年間にわたって試行錯誤の末に完成させた作品であり、彼自身にとっても非常に意味のあるものでした。このアルバム発表をもって、久石はグループから離れ、以後はメンバーが独自に活動を続けることとなります。

グループに残ったメンバーは、その後すぐにセカンドアルバム『樹・モーション』をリリースしましたが、その後はすぐに解散してしまいました。この時期のメンバーには、高田みどり、定成庸司、荒瀬順子が含まれています。

バンド名の意味とゲスト参加

ムクワジュ（Mkwaju）という名前は、スワヒリ語で「タマリンドの樹」を意味します。この名前には、アフリカの文化や音楽への敬意が込められています。また、アルバム『MKWAJU』の制作には、シンセサイザープログラマーの松武秀樹や、ラテンパーカッショニストのペッカーがゲストミュージシャンとして参加しており、音楽的な多様性が生み出されています。

結論

ムクワジュ・アンサンブルは、現代音楽の枠を越えた独自の音楽スタイルを追求してきた日本の打楽器アンサンブルです。久石譲の影響を受けた彼らの活動は、今なお多くの音楽ファンや研究者たちに注目され、評価されています。彼らの音楽は、今後の音楽シーンにおいても重要な役割を果たし続けることでしょう。

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