ムシヒキアブ

ムシヒキアブとは

ムシヒキアブは、ハエ目（双翅目）ムシヒキアブ科（Asilidae）に属する昆虫の総称です。広義のアブ（直縫短角群）に含まれ、世界中に多様な種類が生息しています。

特徴

ムシヒキアブは、その名の通り、他の昆虫を捕らえて体液を吸うという特徴的な捕食行動をします。この習性から、「強盗バエ」と呼ばれることもあります。成虫は、空中で獲物を待ち伏せし、強力な脚で捕獲します。捕らえた獲物は、口吻（こうふん）と呼ばれるストロー状の口で体液を吸い取られます。

幼虫は土中や朽木中に生息し、甲虫の幼虫など他の昆虫を捕食して成長します。成虫、幼虫ともに肉食性であり、生態系において重要な役割を果たしています。

分類

ムシヒキアブ科は、多くの亜科に分類され、それぞれ異なる特徴を持っています。以下に代表的な亜科と種類を挙げます。

イシアブ亜科 Laphriinae
オオイシアブ Laphria mitsukurii
チャイロオオイシアブ Laphria rufa
メガネムシヒキ亜科 Trigonomiminae
アシナガムシヒキ亜科 Dasypogoninae
アシナガムシヒキ Molobratia japonica
ヒゲボソムシヒキ亜科 Stenopogoninae
ヒラズムシヒキ亜科 Stichopogoninae
ホソムシヒキ亜科 Leptogastrinae
クシヒゲムシヒキ亜科 Ommatiinae
アオメアブ（アオメムシヒキ） Cophinopoda chinensis
シオヤアブ亜科 Apocleinae
シオヤアブ（シオヤムシヒキ） Promachus yesonicus
ムシヒキアブ亜科 Asilinae
マガリケムシヒキ Neoitamus angusticornis

これらの他にも、多くの種類が存在し、それぞれが生息環境に適応した形態や生態を持っています。

人間との関わり

ムシヒキアブは、一般的に人間にとって直接的な害はありません。しかし、シオヤアブなど一部の種類は、家畜やヒトなどの脊椎動物に向かうことがあります。これは、体液を吸うためではなく、防御のために刺すと考えられています。もし刺された場合は、患部を清潔に保ち、必要に応じて医療機関を受診してください。

生態系の役割

ムシヒキアブは、他の昆虫を捕食することで、生態系のバランスを保つ役割を担っています。特に、 сельскохозяйственных вредителей を捕食することで、間接的に人間の生活を助けている側面もあります。

観察のポイント

ムシヒキアブを観察する際は、以下の点に注目すると良いでしょう。

生息場所: 草原、森林、河原など、様々な環境に生息しています。
行動: 獲物を待ち伏せしている様子や、飛行中の昆虫を捕らえる様子を観察できます。
形態: 種類によって、体色や模様、脚の形状などが異なります。

これらのポイントを参考に、ムシヒキアブの観察を楽しんでみてください。

参考文献

木野田君公　『札幌の昆虫』　北海道大学出版会、2006年、ISBN 4-8329-1391-3。

関連項目

アブ
直縫短角群

外部リンク

昆虫写真図鑑のようなサイト'>ムシヒキアブ図鑑
* みんなで作る双翅目図鑑

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