体液

体液とは

体液とは、動物の体内に存在し、組織間や体腔を満たす液体のことを指します。ただし、一般的に唾液や汗、尿などの分泌物も体液と呼ばれることがあります。体液は主に細胞内液（ICF）と細胞外液（ECF）に大別されますが、細胞内液は体液の定義から除外されることが多いです。

体液の分類

細胞外液には以下のような液体が含まれます：

• - 血液
• - リンパ液
• - 組織液（組織間液、細胞間液、間質液）
• - 体腔液（漿膜腔液、胸水、腹水、心嚢液、脳脊髄液、関節液、眼房水）

これに対して、ときには体液とみなされる液体には以下があります：

• - 消化液（唾液、胃液、胆汁、膵液、腸液）
• - 汗、涙、鼻水、尿、精液、膣液、羊水、乳汁

体液の量と割合

成人男性における体液の総量（細胞内液と細胞外液を含む）は、体重の約60%を占めています。その細かい内訳は、細胞内液が40%、組織液が15%、血漿とリンパ液が4.5%、そして体腔液が0.5%です。対照的に、成人女性は脂肪が多いため、この割合は男性のおおよそ80%となります。また、年齢が進むにつれて体液の比率は減少し、新生児は最高で約78%を占めますが、4歳頃には成人に近い比率になります。高齢者では、体液比は約50%と低下します。

体液の測定方法

体液量を測定することは、生体の水分代謝の正常性を把握するために重要です。一般的には、尿量や尿比重、血液の成分などから推測されますが、より正確には直接的な測定法が用いられます。希釈法には、適切な標識物質が使用され、平衡状態に達したときの濃度から各体液の量が算出されます。この方法では、アンチピリンや重水などが使用され、細胞外液量の測定にはイヌリンやマンニトールが用いられます。血液量の測定には、長時間血中に残る色素や放射性同位元素が使われます。

体液の組成

細胞内液は、細胞質基質としてさまざまな代謝が行われる場です。細胞の種類によってその組成は異なりますが、カリウムイオンやリン酸イオン、タンパク質が多く含まれます。これに対し、細胞外液は細胞の生存を支える環境であり、ナトリウムイオンや塩化物イオンが豊富に含まれています。細胞外液は生理的食塩水に近い組成を持っており、内部環境としての役割も果たしています。

これらの電解質のバランスは一定に保たれ、細胞の浸透圧を維持します。この濃度勾配は神経細胞の活動電位を生じさせ、筋肉の収縮を助けるために不可欠です。

結論

体液は動物の体において非常に重要な役割を果たしており、その量や組成は常に変化しています。正確な測定と理解は、健康状態の評価や治療において不可欠です。

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