ムスダン (ミサイル)

ムスダン（舞水端）について

ムスダン、またの名を舞水端（ファソン10号）は、北朝鮮が開発した中距離弾道ミサイル（IRBM）です。このミサイルはアメリカ合衆国によってムスダンというコードネームが付けられています。開発の過程では、前のモデルであるR-27の技術を基にしており、その派生型とも言える存在です。本記事では、ムスダンの開発経緯、発射実験、技術的特徴、そしてアメリカによる妨害の可能性について詳しく説明します。

概要

ムスダンは、2007年の朝鮮人民軍創設記念パレードでその姿が初めて確認され、2010年には世界のメディアにその姿が公開されました。この際、12基のムスダンが移動式発射台に搭載され、注目を集めました。

2016年4月には発射実験が行われましたが、最初の試みは失敗に終わりました。その後も発射実験が繰り返され、大部分が成功とは言えない結果となりました。しかし、同年6月の実験では、日本海まで400 kmの距離を飛行し、成功と認められる結果が得られました。北朝鮮の公式報道も、この実験で技術的な成功が確認されたと伝えています。

開発の経緯

ムスダンの開発は1992年に始まり、当初は旧ソ連の専門家を招聘して技術を確保しました。2003年にはプロトタイプが試作され、2005年にはイランに18基が輸出されたとされています。その後、2006年にはイランでの発射実験が行われましたが、その詳細は不明です。

2016年には相次いで発射試験が行われましたが、多くが失敗に終わりました。特に4月の発射試験では空中爆発が報告され、試行錯誤が続きました。

技術的特徴

ムスダンはR-27を基に陸上発射型に改良されたものと考えられており、全長は12.5メートル、重量は約19トンであると推定されています。推進には液体燃料ロケットモーターを使用しており、射程は3200 km以上、最大で4000 kmに達するとされています。これにより、日本本土や米軍基地のあるグアムにも射程が及びます。

また、多重弾頭の技術についても研究が進められているとされていますが、特定の弾頭を搭載できるかは議論の余地があります。

アメリカによる妨害工作の疑惑

ムスダンの発射実験で相次ぐ失敗の背景には、アメリカの妨害工作が関与しているのではないかとの指摘があります。北朝鮮は、ミサイルに必要な電子部品の多くを海外から依存しており、アメリカが一部の部品にウイルスを埋め込んでいる可能性があるとされ、このことが発射失敗の一因と見なされています。

このような事情を受けて、北朝鮮は独自開発の推進に切り替え、「白頭山エンジン」に基づいた新型ミサイルの開発を進めています。

結論

ムスダンは北朝鮮のミサイル開発の一環として注目されており、その技術的な進歩や発射実験の実績は、国際的な安全保障における懸念材料となっています。これまでの発射実験を通じて得た成果と課題を分析することは、今後の軍事技術の動向を理解する上でも重要です。

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