ムルシア大学

ムルシア大学 (Universidad de Murcia)

スペイン南東部、ムルシア州の州都ムルシア市に本部を置く公立の高等教育機関です。スペイン語での正式名称は Universidad de Murcia といい、略称としてUMが用いられます。約38,000人の学生が在籍しており、これはムルシア州において公立・私立を問わず最大の規模を誇る大学です。

現在のムルシア大学は1915年に設立されましたが、その起源はさらに古く、カスティーリャ王アルフォンソ10世の治世下の1272年に設立された中世大学に遡ります。この古い起源を持つことから、1218年創設のサラマンカ大学、1241年創設のバリャドリッド大学に続いて、スペインで3番目に古い中世大学の一つに数えられることもあります。この長い歴史は、大学の伝統と学術的な深みを形成しています。

ムルシア大学は、ムルシア市内を中心に複数のキャンパスを展開しています。中心市街地には歴史的なラ・メルセッド・キャンパスがあり、都市の活気と一体となった環境で教育が行われています。一方、中心部から北へ約5キロメートル離れた場所には、より広大な敷地を持つエスピナルド・キャンパスがあります。この二つが主要なキャンパスですが、ムルシア市域外にも教育拠点を有しています。例えば、沿岸部のサン・ハビエルにはスポーツ科学部が置かれ、また西部の都市ロルカにもキャンパスを構え、地域のニーズに応じた教育を提供しています。

ムルシア大学は、学術分野の広範な領域をカバーしており、多岐にわたる学部、専門的な教育を行う学校、そして高度な研究を追求する博士課程が設置されています。

設置されている学部は以下の通りです。

人文学部
芸術学部
法学部
経済・経営学部
記録情報学部
心理学部
教育学部
哲学部
コンピュータ科学部
スポーツ科学部
産業科学部
生物学部
数学部
医学部
化学部
獣医学部

専門的な教育に特化した学校としては、以下のものが挙げられます。

ムルシア看護学校
カルタヘナ看護学校
社会福祉学校
観光学学校

また、大学院レベルでは、高度な研究と専門知識の深化を目指す博士課程が提供されています。主な博士課程プログラムには、以下のようなものがあります。

法学
経済学
人文学
社会科学
実験科学
健康科学
数学
技術教育

これらの学部、学校、博士課程を通じて、ムルシア大学は人文科学から社会科学、自然科学、健康科学、工学に至るまで、幅広い分野で教育と研究を展開しています。約38,000人という大規模な学生数と多様な学術分野を擁することは、ムルシア州の高等教育の中核としての役割を強調しています。スペイン国内においても長い歴史を持つ大学の一つとして、その学術的貢献は国内外から注目されています。

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