サラマンカ大学

サラマンカ大学：スペイン最古の学府と国際交流の歴史

サラマンカ大学は、スペイン・サラマンカ市に位置する、スペインで最も歴史のある大学です。1218年、レオン王国のアルフォンソ9世によって創立され、オックスフォード[[大学]]、ケンブリッジ[[大学]]、パリ[[大学]]、ボローニャ[[大学]]などと共に、中世ヨーロッパにおける重要な学問の中心地として栄えました。その歴史は古く、酸化鉄を含む石造りの建物は、セルバンテスやスペイン王室のレリーフなど、歴史を感じさせる装飾が施されています。学業成就の象徴とされる蛙の乗った髑髏のレリーフも有名です。13世紀には、ヴァチカンからストゥディウム・ゲネラーレ（大学）の称号を認められています。

大航海時代から現代まで

大航海時代には、天文学に基づいた航海計画が綿密に立案された場所として重要な役割を果たしました。宗教改革後には、スペインにおける学術の中心、そしてヨーロッパにおけるカトリック神学の中心地としての地位を確立しました。16世紀にはサン・エステバン神学院を拠点にドミニコ会を中心とする学派が、17世紀から18世紀にかけてはサン・エリアス神学院を拠点にカルメル会を中心とした学派が神学、哲学、法学の研究を推進し、「サラマンカ学派」として知られるようになりました。1415年から18年かけて建設された講義堂「エスクエラス・マヨーレス」は、1988年にサラマンカ歴史地区の一部としてユネスコの世界遺産に登録されています。

国際的な教育機関

現在、サラマンカ大学は約3万2千人の学生を擁する総合大学として、世界中から学生を受け入れています。特に外国人のためのスペイン語コース“cursos internacionales”は有名で、ヨーロッパ各国をはじめ、多くの国から学生が集まり、スペイン語の習得に加え、スペインの文化、歴史、経済についても学ぶことができます。夏季には日本語の授業も開講されています。

著名な教員と卒業生

サラマンカ大学には、数多くの著名な教員や卒業生が輩出されています。フランスのルイ14世の宰相ジュール・マザラン、スコラ哲学者フランシスコ・スアレス、『インディアスの破壊についての簡潔な報告』で知られるカトリック司祭バルトロメ・デ・ラス・カサス、サラマンカ学派の創始者フランシスコ・デ・ビトリアなど、歴史、哲学、神学、法学など様々な分野で活躍した人材が名を連ねています。17世紀のスペインの宰相オリバーレス伯爵、劇作家ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ、哲学者・小説家ミゲル・デ・ウナムーノ、スペイン民主化期の首相アドルフォ・スアレスなども卒業生に含まれています。

日本との繋がり

サラマンカ大学と日本との繋がりも深く、1603年に来日し徳川家康に謁見、日本でのキリスト教布教に従事したルイス・ソテロは、慶長遣欧使節団の正使としてローマ教皇に謁見し、宣教の援助を求めました。しかし、目的を果たすことなく殉教しました。1867年に列福されています。また、1985年には、当時の皇太子ご夫妻（現・上皇ご夫妻）が大学を訪問されており、その記念碑が学内に残されています。現在も、大阪工業大学、神奈川大学など日本の多くの大学と協定を結んでおり、活発な学術交流が行われています。

伝統と革新の調和

サラマンカ大学は、その歴史と伝統を守りながら、国際的な大学として現代社会のニーズに対応しています。歴史的な建造物と活気ある学生たちの姿が調和するキャンパスは、多くの観光客も訪れる魅力的な場所です。大学発祥の地として、現在もその歴史的意義を継承し、世界の学術界に貢献し続けているのです。

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