ムービング・ピクチャー・カンパニー

ムービング・ピクチャー・カンパニー (MPC) の概要

ムービング・ピクチャー・カンパニー（Moving Picture Company）、通称MPCは、フランスのテクニカラーに所属するイギリスのビジュアルエフェクト（VFX）制作会社で、映画やテレビドラマの映像制作を行っています。MPCは、ロサンゼルス、モントリオール、トロント、パリ、リエージュ、ベルリン、バンガロール、ムンバイ、アデレードなど、世界各地にオフィスを構えており、広範囲にわたるプロジェクトを手掛ける企業です。

歴史と設立

MPCは1970年にロンドンのソーホーでテレビCM制作会社として設立されました。その後、2004年にトムソン・マルチメディアに買収され、テクニカラーの子会社となります。設立からしばらくの間はイギリスの放送局ITVの傘下でした。

MPCは、映画部門「MPCフィルム」と、テレビドラマ部門「MPCエピソディック」という2つに分かれており、それぞれ異なるプロジェクトを担当しています。特に「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」（2013年）や「ジャングル・ブック」（2016年）ではアカデミー視覚効果賞を受賞した実績があります。また、英国アカデミー賞やクリティクス・チョイス・アワード、視覚効果協会賞など、数々の賞にもノミネートされ、受賞歴を持つ企業です。

業務提携と企業戦略

企業運営において、MPCは他社との業務提携にも積極的です。2016年2月には日本のポストプロダクション企業デジタルガーデンとカラーグレーディング業務で提携しました。さらに、2017年9月にはフランスのVFX会社ミクロス・イマージュと広告関連業務を統合し、ミクロス・MPCアドバタイジングという現地法人を設立しました。但し、2021年12月にはバンクーバーオフィスを閉鎖しています。

2021年9月には、ミクロス社の映画およびテレビドラマ部門がMPCエピソディックに統合され、2022年1月には別のVFX会社Mr. Xとの統合が発表されました。その一方で、広告部門での提携によりMPCアドバタイジングはザ・ミル社と統合し、ミクロス・MPCアドバタイジングも消滅しました。

技術革新とプロジェクト

MPCは特にバーチャルヒューマン技術においても多くのプロジェクトで成果を上げています。例えば、「ターミネーター:新起動/ジェニシス|ターミネーター:新起動_ジェニシス」や「ブレードランナー 2049」では、CG技術を駆使して過去のキャラクターをリアルに再現しました。これらの技術は、MPCの研究開発スタジオであるシャドウラボで開発されました。さらに、テクニカラーと共同でバーチャルプロダクションプラットフォーム「Genesis」の構築も行い、新しい映像制作の可能性を開いています。

主な参加作品

MPCは多くの著名な映画やテレビ番組に参加しています。具体的には、1999年以前から、映画やミュージックビデオ、テレビ番組に関わってきました。アデルやザ・ウィークエンド、カルヴィン・ハリスなどのミュージックビデオにも携わりました。

特に映画業界においては、その技術力とクリエイティブなアプローチにより、映像美と記憶に残る瞬間を生み出す役割を果たしています。これからもMPCは、VFX制作の最前線を担い続ける存在として注目されることでしょう。

受賞歴と評価

MPCの高度な制作技術は、業界内外で高く評価されており、数多くの受賞歴を誇ります。技術的な革新や視覚的な美しさに加え、ストーリーテリングを支える重要な要素として、映画やテレビ製作に貢献し続けています。

もう一度検索