ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック

『ムーラン・ルージュ』オリジナル・サウンドトラック：絢爛豪華な音楽の祭典

バズ・ラーマン監督による2001年の映画『ムーラン・ルージュ』。その世界観を彩るサウンドトラックは、単なる映画音楽を超えた、音楽そのものが主役と言えるほどの存在感を放っています。2001年5月8日にリリースされたこのアルバムは、映画で使用された楽曲を中心に構成されており、既存のヒット曲を大胆にアレンジしたカバー曲と、オリジナル曲が絶妙に組み合わされています。

収録曲について

アルバム収録曲の多くはカバー曲で、デヴィッド・ベアウォルドとケヴィン・ギルバートが作曲したオリジナル曲「カム・ホワット・メイ」のみがオリジナルです。オープニングを飾る「ネイチャー・ボーイ」は、デヴィッド・ボウイが歌ったバージョンが収録されていますが、映画内ではアンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック役のジョン・レグイザモが歌っています。この曲には、ニコール・キッドマンの独白を加えたボウイとマッシヴ・アタックによる別録版も制作され、アルバムのラストを飾っています。

「レディ・マーマレイド」は、1970年代にラベルがヒットさせた楽曲のカバー。クリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイア、ピンクという豪華な女性アーティストが集結し、ミッシー・エリオットがプロデュースと追加ボーカルを担当しています。このカバーバージョンは、Billboard Hot 100で1位を獲得、グラミー賞の最優秀ポップ・コラボレーション賞ヴォーカル部門を受賞するなど、高い評価を得ました。

ファットボーイ・スリムことノーマン・クックが作曲した「ビコーズ・ウィ・キャン」は、ジム・ブロードベントが歌う「ジドラーのラップ」と組み合わされ、「次世代のカンカン」とも呼ばれました。「スパークリング・ダイアモンズ」は、ニコール・キッドマン、ジム・ブロードベントに加え、キャロライン・オコナーらが参加。『紳士は金髪がお好き』で使用された「ダイアモンドは女の親友」とマドンナの「マテリアル・ガール」を繋いだメドレー形式で、華やかな雰囲気を演出しています。また、デバージのヒット曲「リズム・オブ・ザ・ナイト」は、ニコール・キッドマンの独白を加えてヴァレリアが歌い、新たな魅力を引き出しています。

チャートの記録と影響

アルバムは、アメリカのBillboard 200で初登場5位を記録し、最高3位まで上昇。トップ・サウンドトラック・チャートでは首位を獲得しました。アメリカレコード協会からはダブル・プラチナ認定を受けています。オーストラリアでは、ARIAチャートで11週連続1位を獲得し、ニュージーランドでも首位を獲得するなど、世界中で大ヒットを記録しました。

2018年には、平昌オリンピックでカナダのアイスダンス・カップル、テッサ・ヴァーチュとスコット・モイア組が演技にアルバム収録曲メドレーを使用したことで、再び注目を浴び、チャートに再浮上しました。

『ムーラン・ルージュ』オリジナル・サウンドトラックは、映画の興奮と感動を追体験できるだけでなく、単独の音楽作品としても非常に完成度の高い作品です。豪華アーティストたちの歌声と、既存の楽曲を大胆にアレンジした斬新な音楽性は、聴く者を魅了し、忘れられない音楽体験をもたらしてくれるでしょう。

続編となる『ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2』もリリースされており、こちらも合わせて聴くことで、『ムーラン・ルージュ』の世界をより深く堪能できます。

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