ムーンボールマジック

ムーンボールマジック

『ムーンボールマジック』（Moon Ball Magic）は、1988年7月12日にDOGブランドから発売されたファミリーコンピュータディスクシステム専用のピンボールゲームです。この作品は、システムサコム開発によるもので、同社が手掛けたPC-9800シリーズ向けのゲーム『ムーンボール』（1983年）と同じく、プログラムはマーク・フリントが担当していますが、内容は全く異なります。

概要

本作は書き換え専用のソフトであるため、通常のインデックスラベルは付属していませんが、スクウェアが発行した広告を切り取って作成されるインデックスラベルが2種類あります。この形式は、同じくDOGブランドからリリースされた書き換え専用ソフト『亜空戦記ライジン』にも見られ、業界の特徴とも言えるでしょう。

システムサコムが提供するピンボールの楽しさを、ファミリーコンピュータというプラットフォームで新たに表現した点が本作の魅力です。プレイヤーは、さまざまな障害物や敵と対峙しながら、得点を重ねていきます。ただし、本作のピンボールの特異性として、リアルな物理法則を無視した動きや重力の操作が挙げられ、多様なプレイフィールを提供しています。

スタッフ

本ゲームの開発チームは、プログラム部門にマーク・フリントを筆頭に、プロデュースとシナリオをたかさきかずゆきが担当しています。ゲーム・エフェクトは、先のふたりに加え、はなさきかつはるも関わっています。アート・ディレクションやキャラクターデザインもたかさきかずゆきが行い、音楽は佐藤浩一が手掛けています。効果音は桜井邦子が提供し、アシストチームも存在し、ゲームの質を高める役割を果たしています。

評価

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」において、本作は合計28点を獲得しました（満点40点）。また、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者により実施された「ゲーム通信簿」では、12.60点（満点25点）の評価が付けられています。特に、同雑誌の1991年5月24日号特別付録の「ファミコンディスクカード オールカタログ」では、「本物のピンボールのように画面を揺らすことができ、雰囲気がよく表現されている」と称賛されています。

加えて、ゲーム誌『ユーゲー』では「動き回る敵や、独特の重力制御が『リアルではないからこそ』楽しさを引き立てている」と評価されています。このように、ゲーム自体が持つユニークな要素が多様なプレイヤーの心を掴み、楽しさを広げる要因となっています。

結論

『ムーンボールマジック』は、革新的な視点でピンボールというゲームジャンルを再定義した作品です。ファミリーコンピュータの限られた技術の中で、ユーモア溢れる絵柄や工夫が盛り込まれていて、プレイヤーは新しいゲーム体験を味わうことができます。ピンボール好きだけでなく、斬新なゲーム体験を求めるすべての人にオススメのタイトルです。

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