システムサコム

システムサコム

システムサコムは、かつて存在した日本の企業です。本社を東京都中央区に置き、ハードウェア事業とマルチメディア関連事業を展開していました。

概要

1981年12月2日に有限会社システムサコムとして設立され、1986年10月に株式会社システムサコムに商号変更しました。1983年から1998年までは、パソコン（主にホビーパソコン）および家庭用ゲーム機向けにゲーム開発を行っていましたが、1999年にゲーム事業から撤退し、2000年以降はハードウェア販売に特化しました。

パソコンゲームにおいては、ハードウェア事業の強みを生かし、当時ビジネス用途が中心であったPC-9801に音楽機能やジョイスティック端子を追加する「アミューズメントボードAMD-98」（1985年2月発売）をリリースしました。これにより、自社ソフトだけでなく他社からも対応ソフトが発売されるようになり、PC-9801のホビー用途の拡大に大きく貢献しました。

また、「ノベルウェア」というシリーズを生み出し、後のサウンドノベルやビジュアルノベルというジャンルに影響を与えました。当時FM音源が主流だった時代に、いち早くMIDI音源に対応したゲームを発売するなど、小説とサウンドの融合に力を入れていました。斎藤学が音楽を手がけた『38万キロの虚空』は、日本の市販ゲームソフトで初めてMIDI音源を利用した音楽再生を実現したゲームとして知られています。

主な発売ゲームソフト

パソコン用ゲームソフト

ヴァリアント（PC-9801）
ムーンボール（PC-9801）
ブラウンズラン（PC-9801）
ゾーン（PC-9801）
ハイウェイスター（PC-9801）
メルヘンヴェール（PC-9801 / PC-8801 / PC-8801mkⅡSR / X1 / FM-7 / MZ-2500 / MSX / MSX2）
メルヘンヴェールII（PC-9801）
DOME（PC-8801 / PC-9801 / X1 / FM-7 / MSX2 / MZ-2500 / X68000） - ノベルウェアシリーズ第1弾
ソフトでハードな物語（PC-9801 / X68000 / FM-TOWNS） - ノベルウェアシリーズ第2弾
シャティ（PC-8801） - ノベルウェアシリーズ第3弾
ソフトでハードな物語2 The Return of ISHIDA（PC-9801 / X68000 / FM-TOWNS） - ノベルウェアシリーズ第4弾
38万キロの虚空（PC-9801 / X68000 / FM-TOWNS） - ノベルウェアシリーズ第5弾
闇の血族（X68000） - ノベルウェアシリーズ第6弾
闇の血族 -完結編-（X68000） - ノベルウェアシリーズ第7弾
闇の血族Special（FM-TOWNS）
ウォーム（PC-9801）
ユーフォリー（X1）
EVOLUTION（FM-TOWNS）
プロヴィデンス（PC-8801）
幽霊君（MSX2）
ヴァルナ（PC-8801）
メタルサイト（X68000）
ジェミニウイング（X68000）
アトミックロボキッド（X68000）

家庭用ゲーム機ソフト

メルヘンヴェール (ファミリーコンピュータ ディスクシステム)
ムーンボールマジック (ファミリーコンピュータ ディスクシステム)
ジェリーボーイ（SFC）
グランドスラムテニストーナメント'92（MD）
激突弾丸自動車決戦 バトルモービル（SFC）
夢見館の物語（MCD）
闇の血族 遥かなる記憶（PCエンジン SUPER CD-ROM2）
ゲイルレーサー（SS）
真説・夢見館 扉の奥に誰かが…（SS）
月花霧幻譚~TORICO~（SS）
時空探偵DD（SS / PS）
あれ!も これ?も 桃太郎（PS）
ガボールスクリーン（PS）
ランニング・ハイ（PS）
イバラード 〜ラピュタの孵る街〜（PS）
時空探偵DD2（PS）
アストロノーカ（PS）
ユーラシアエクスプレス殺人事件（PS）

その他

ファミリーコンピュータ ディスクシステムが全盛期だった頃、スクウェアが中心となって活動したDOG（ディスク・オリジナル・グループ）にも参加していました。

『ゾーン』『ハイウェイスター』は、「月刊アスキー別冊 蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾」に収録されています。

システムサコムのゲーム事業撤退後、一部のスタッフがアイビーアーツを設立し独立しました。

関連人物

斎藤学 - 『38万キロの虚空』『ユーフォリー』などの作曲を担当。
マーク・フリント - 『ゾーン』『ブラウンズラン』などを手がけたプログラマ。システムサコムの創成期を支えたひとり。

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