メイジェル・バレット

メイジェル・バレット・ロッデンベリー

メイジェル・バレット・ロッデンベリー（Majel Barrett-Roddenberry）は、1932年2月23日にオハイオ州クリーブランドで生まれ、2008年12月18日にカリフォルニア州ロサンゼルスで亡くなりました。彼女はアメリカの女優、プロデューサーとして広く知られ、自身の名声は特にSFテレビドラマシリーズ『スタートレック』との深い関わりによって築かれました。彼女の人生やキャリアは、創作者であり夫であるジーン・ロッデンベリーの影響を多く受けており、彼女はしばしば「『スタートレック』のファーストレディ」と称されることもありました。

経歴

バレットは幼少の頃から演劇に親しみ、フロリダ州のマイアミ大学に通いながら多くの舞台に出演しました。その後、ハリウッドに進出し、1950年代後半から60年代にかけて映画やテレビで様々な役をこなしました。デジルスタジオでの仕事では『ボナンザ』や『アンタッチャブル』など、多くの著名作品に寄与しました。また、コメディの名手ルシル・ボールからも指導を受け、演技の幅を広げました。

彼女は1960年に『ビーバーちゃん』での役をきっかけに注目を集め、その後、ジーン・ロッデンベリーと結婚し、一子を授かります。二人は1969年に日本で結婚式を挙げ、中でもその年は『スタートレック』オリジナルシリーズ『宇宙大作戦』が放送終了を迎える重要な時期でもありました。

スタートレックとの関わり

バレットは『スタートレック』シリーズにおいて、劇場版やアニメ版を含む多くの作品に出演し、多彩な役どころを演じました。特に、初代シリーズのパイロットエピソード『歪んだ楽園』では、宇宙船エンタープライズの副長ナンバーワンを演じたことで知られています。このキャラクターのキャスティングには彼女がロッデンベリーと関係があったことが影響したとされ、当時のNBCの重役たちの反感を買ったというエピソードもあります。

また、バレットは『宇宙大作戦』のレギュラーエピソードでは、チャペル看護婦役としても知られ、彼女が秘めるスポックへの報われない愛情がキャラクターの重要な要素とされました。映画では医者となるシーンも描かれ、キャラクターの成長が感じられます。さらにアニメーションシリーズにおいても、複数の役を声優として演じており、その多才さを示しています。

後に『新スタートレック』では、面白くてわがままな性格のラクサナ・トロイ役として再び脚光を浴び、さらに『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』や『スタートレック:ヴォイジャー』にも出演しました。バレットは『スタートレック』シリーズ中、コンピュータの音声としても多く登場し、彼女の声は作品に欠かせない要素となりました。

スタートレック以後

『スタートレック』の成功の後も、バレットは演技活動を続け、1973年には夫が製作したテレビドラマ『Genesis II』に出演。ジーン・ロッデンベリーの死後も、彼が残した資料を基にしたプロジェクトに関与し、さまざまな作品を制作しました。バビロン5のエピソードにも出演し、新たなファン層を獲得しました。

2008年12月には、ロッデンベリー・プロダクションが『スタートレック』の新作映画において、彼女の声を再び使うことを発表しました。彼女は自身のキャリアを通じて、スタートレックファンに夢を与え続け、毎年主要なコンベンションにも参加する姿勢を崩しませんでした。残念ながら、同年の12月18日に白血病により76歳でこの世を去りましたが、その遺灰は宇宙葬にされ、多くのファンの心に残り続けています。

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