メイヌース

メイヌース：歴史と教育が織りなすアイルランドの町

アイルランドのキルデア県北部、リークスリプとキルコックを結ぶ道沿いに位置するメイヌース（Maynooth）は、古くからの歴史と活気あふれる学生街としての顔を持つ、魅力的な町です。アイルランド国立大学メイヌース校と聖パトリック・カレッジという2つの高等教育機関、そして国内有数の開発援助NGOトロカイアの本部が置かれていることから、教育と国際協力の拠点としての役割も担っています。

地理と交通

M4号線が町を迂回し、R148号線が通るなど、交通の便は良好です。セルブリッジ、クレイン、ダンボインといった近隣の町へのアクセスも容易です。ダブリンとスライゴを結ぶ鉄道も通っており、ダブリンからのアクセスも容易です。また、ロイヤル運河を利用した水運もかつては重要な役割を担っており、現在でもレジャー目的で利用されています。メイヌース駅はダブリン方面からの通勤客も多く、非常に混雑します。

地名の由来と歴史

メイヌースという地名は、アイルランド神話の神、ヌアザに由来すると言われています。「ヌアザの平原」を意味する地名が、現在のメイヌースへと変化していったとされています。歴史的には、「ザ・ペイル」（イギリス支配下の地域）の西端に位置しており、ジェラルディン家という有力貴族の拠点として長きにわたって栄えました。アイルランド自由国総督ドムナール・ウア・ブアハラもこの町に居を構えたことでも知られています。

見どころ

メイヌースの街には、歴史を感じさせる建造物が数多く残されています。メイヌース城跡は、16世紀にキルデア伯爵トマス・フィッツジェラルドが築いた砦の跡です。壮大なカートン・ハウスと繋がる大通りは、かつてのリンスター公爵の住まいを偲ばせます。聖パトリック・カレッジは、後期ジョージ王朝様式と新ゴシック様式が融合した見事な建築様式で知られており、1850年代に改築された礼拝堂は特に有名です。郊外にはコロニーズ・フォリーという地区があり、ダブリン西部への玄関口として機能しています。

教育

メイヌースの教育機関の中心は、アイルランド国立大学メイヌース校と聖パトリック・カレッジです。聖パトリック・カレッジは1795年に設立されたカトリック教会の聖職者養成機関であり、そこから1997年にメイヌース大学が分立しました。両機関は現在も敷地や施設を共有し、協調して教育活動を行っています。メイヌース大学はアイルランドで唯一、都市部ではなく町に位置する大学として知られています。町の教育施設は大学以外にも、中学校、小学校、男女別学校、共学校、ゲール語学校など多岐に渡ります。

経済

メイヌースはキルデア県北部、あるいはミース県南部の小売業の中心地となっています。テスコ、スーパーバリュー、アルディ、リドルなどの大手スーパーマーケットに加え、多くの地元商店も営業しています。デューンズ・ストアという大規模商業施設には、イーソンズ、エルベリーズ・スポーツ、ハリファックスなどのテナントが入居しています。

スポーツ

メイヌースでは、ゴルフ、ラグビー、ゲーリックゲームズ、サッカー、競馬、陸上競技など、様々なスポーツが盛んです。GUIナショナル・ゴルフ・アカデミーやメイヌースGAA、ノース・キルデア・ラグビー・クラブ、メイヌース・タウンFC、モイグレア・スタッド農場、ル・シェイル陸上クラブなど、多くのスポーツ施設やクラブが存在します。国際的な活躍をしたラグビー選手ボブ・ケーシーもこの町出身です。

まとめ

歴史的な建造物と活気あふれる学生街、そして国際的なNGOという、多様な顔を持つメイヌースは、アイルランドの中でも独特の魅力を持つ町です。教育、歴史、スポーツ、そして商業が融合したこの町は、訪れる人々を魅了し続けています。

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