メキシコ軍

メキシコ軍の概要

メキシコ軍（メキシコぐん、スペイン語: Fuerzas Armadas de México）は、陸軍、空軍、海軍を含む、メキシコの軍事組織です。国の防衛及び治安維持を使命とし、大統領が最高司令官となっており、陸軍と空軍は国防省（Secretaría de la Defensa Nacional: SEDENA）の直轄、海軍は海軍省（Secretaría de Marina: SEMAR）の管理下に置かれています。これらの大臣は現役の軍人が務め、軍部大臣現役武官制が適用されています。

各軍の任務

メキシコ軍の主要な任務は、以下のように大別されます。

1. 国防（DN-I: Plan de Defensa Nacional I）
2. 国内治安維持（DN-II: Plan de Defensa Nacional II）
3. 災害派遣（DN-III-E: Plan de Defensa Nacional III）
4. 海軍による捜索救助活動。

実際の活動には、自然災害時の救援、人道支援、麻薬取締り、及び反政府勢力への対応が含まれています。

陸軍

メキシコ陸軍は、2015年時点で192,483人の人員を擁し、74,500人の予備役があります。陸軍は12の軍管区を管理し、45軍区に部隊が配備されています。2008年からは9個歩兵旅団を中心とした3個軍団が編成され、各軍区には歩兵大隊が配置されています。2010年代にはさらに多くの旅団が計画されましたが、実行に移されたのは主に大統領警備隊などの一部のみです。特に、特殊作戦群を保有し、特定の任務に対応しています。

陸軍装備

陸軍の主要な装備には、7.62x51mm NATO弾を使用するH&K G3から、5.56x45mm NATO弾のFX-05シウコアトルへと続く小銃の更新が進められています。特殊部隊ではM4カービンも使用されています。迫撃砲や榴弾砲、装甲車両といった多彩な兵器が配備されており、その運用には様々な戦術が含まれています。

空軍

メキシコ空軍（Fuerza Aérea Mexicana, FAM）は、11,770名の人員を持ち、390機の航空機を運用しています。主要な戦闘機はF-5E/F タイガーIIであり、その防空力は限られていますが、密輸監視や治安作戦の支援が主な役割です。輸送機やヘリコプターも多数保持しており、海外展開や人道的任務にも対応しています。

海軍

メキシコ海軍（Armada de México, SEMAR）は56,000名の人員と189隻の艦艇、130機の航空機を擁し、海域・海岸線の警備を担っています。海軍は3つの主力部隊を編成しており、その艦艇は主に中古のアメリカ艦から構成されています。海軍は、テロ対策や密輸防止活動において重要な役割を果たしています。

海兵隊

特に2000年代に麻薬カルテルとの戦闘が激化する中、海軍および海兵隊は、治安維持において重要な役割を果たすようになりました。海兵隊は、麻薬組織の摘発においても活用され、成功事例も多数報告されています。ペルペカルデロン大統領の元で、海軍は麻薬取締りの方針を強化し、海兵隊が重要な役割を果たしています。

メキシコ軍はこのように、様々な課題に対処するために、多様な部隊と兵器体系を整え、国防と治安維持に貢献しています。

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