メセタ

メセタ・セントラル：イベリア半島の中央台地

メセタ・セントラルは、イベリア半島の中央部に広がる乾燥した高原地帯です。その地質学的特徴、地形、そしてそれが地域の気候、植生、人々の生活に与える影響について詳しく見ていきましょう。

起源と地形

メセタは、イベリア半島で最も古い地形の一つであり、半島の大部分を占めています。その起源は古生代のヘルシニア造山運動に遡り、長い年月をかけて浸食され、準平原となりました。この準平原が、後のアルプス造山運動によって隆起し、現在のメセタの基盤を形成しました。

平均標高は610mから760mで、山脈によって縁取られています。メセタの地形は西に向かって緩やかに傾斜しており、ポルトガルとの国境を形成する河川の源流となっています。セントラル山系は、メセタを南北に分断する「脊柱」のような存在で、北部は標高が高く、面積は狭くなっています。マドリードの北には2,400mを超える山々が連なり、西部には最高峰のアルマンソール峰（2,592m）がそびえ立っています。セントラル山系の峰々は、一年を通して雪を頂いています。

メセタ南部は、トレド山地とグアダルーペ山地という2つの山地に分かれています。これらの山地の標高は1,500mを超えることはありません。タホ川が、これらの山地をセントラル山系から隔てています。

周囲の山岳地帯

メセタを縁取る山岳地帯として、シエラ・モレーナ山脈、カンタブリア山脈、イベリコ山系が挙げられます。シエラ・モレーナ山脈はメセタの南端に位置し、イベリコ山系の南端と繋がっています。カンタブリア山脈は、イベリア半島の北岸に沿って走り、ピコス・デ・エウローパなどの標高2,600mを超える山々が連なっています。イベリコ山系は、カンタブリア山脈から南東方向に伸び、広大な地域を覆っています。

メセタ・セントラルの概念

メセタ・セントラルは、イベリア半島の他の地域から隔絶された「高いお盆」のようなものとして認識されてきました。この概念は19世紀になって初めて明確化され、アレクサンダー・フォン・フンボルトによって言及されました。

自然と保護区

ポルトガル国内の南メセタは、「ナチュルテジョ・ダ・メセタ・メリディオナルユネスコ世界ジオパーク」に指定されています。また、スペインとポルトガルの国境北部には、貴重な森林や動植物が生息しており、ユネスコの生物圏保護区に指定されています。この地域は、ナベコウ、エジプトハゲワシ、ユーラシアカワウソ、イベリアオオカミなどの貴重な動物たちの生息地となっています。

メセタ・セントラルは、その独特な地形と生態系、そして歴史的な背景から、イベリア半島において重要な地域と言えるでしょう。

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